毘沙門堂
創建は大宝3年(703)文武天皇の勅願によって開かれた。当初は出雲路(上京区・御所の北方)にあったことから護法山出雲寺と呼ばれた。その後、たび重なる戦乱から苦難の道をたどり、寛文5年(1665)、山科安朱の地に再建。後西天皇の皇子公弁法親王が入寺してより門跡寺院となった。伝教大師が唐より将来された鎮将夜叉法という行法は、天台五箇大法の1つとしてこちらの門跡だけに伝わる秘法。
宸殿は後西天皇の旧殿を賜ったもので、障壁画116面は狩野益信筆の山水画。晩翠園と名づけられた庭園には心字の池があり、前庭には樹齢150年ほどの枝垂れ桜がある。
境内は樹々に囲まれ、桜が満開となる春、葉が色づく秋に美しく映える建物が印象的で、中でも秋の参道の石段の散紅葉が絶景。
商売繁盛・家内安全にご利益のある毘沙門堂で、満開の桜や紅葉のじゅうたんを堪能してみては。
高井和正