大覚寺
嵯峨嵐山駅より徒歩約20分にある大覚寺。真言宗大覚寺派の本山で、正式には旧嵯峨御所大本山大覚寺と称し、嵯峨御所とも呼ばれる。本尊は不動明王を中心とする五大明王。
平安のはじめ、嵯峨天皇の離宮として建立されて1200年たった今も、絶えず歩み続けている。
平安初期、嵯峨天皇の離宮を寺に改めた皇室ゆかりの寺院。嵯峨院が大覚寺となったのは、876年。明治時代初頭まで、代々天皇もしくは皇統の方が門跡(住職)を務めた格式高い門跡寺院。また、後宇多法皇がここで院政を行うなど、日本の政治史に深い関わりをもつ寺院である。
境内には重要文化財の「宸殿」をはじめ、「心経前殿」や縦の柱を雨、直角に折れ曲がっている回廊を稲光に例えられた「村雨の廊下」など貴重な建造物が並ぶ。春季・秋季には貴重な文化財の展覧会「名宝展」が開催。旧嵯峨御所大覚寺に伝わる平安時代(重文・明円作)、室町・江戸時代(重文含む)の2組の五大明王像をはじめとする寺宝の数々を年2回、テーマを定めて霊宝館で展示される。
高井和正