轟鉄子 鉄の道は続くよどこまでも

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ダイダラボッチが運んだ物は?

2023-01-20 08:35:00 | 歴史
柳田国男という人が昔話や伝説をたくさん調べていて、今でも手軽に文庫本で読める。

手軽と言っても、明治の人だからほとんど古文みたいなんだけど、がんばって読んでみる。

なぜならとても鉄っぽいネタが満載だから。

『一つ目小僧その他』に入っている「ダイダラ坊の足跡」には日本中のダイダラボッチ伝説を載せている。

世田谷の代田にはダイダラボッチの足跡という池がある、とか、ダイダラボッチが近江の土を掘って作った山が富士山で、掘った穴が琵琶湖だとか。その手の話がたくさん載ってる。

そして結論にはややこしい文体で2つの説が書いてあるんだけど、おばちゃん、これには納得いかないな。

ダイダラボッチは鉄のシンボルだと思う。大太郎とか太郎坊とか言うところもある。大きなタタラの坊主。

名古屋には道場法師という力持ちの伝説があって、同じ話が東浦町では百々(ダダ)法師として伝わっている。道場法師は奈良の都で鬼退治をしたという。私はこの道場法師=百々(ドウドウ)法師=ダダ法師=タタラ坊なのだと思う。

たぶん鉄をもたらした人(王)とか文化自体を指したのではないかな?ひょっとしたら製鉄炉のことかもしれないね!

鉄を知らなかった人々にとって、鉄の道具で大地を切り拓くことは、ものすごいインパクトがあったのだと思う。だから伝説は大きな土木工事事業などと結びついている。

そして日本中あちこちに点在してるのは、鉄文化が津々浦々入り込んで行ったから。

実は日本には鉄の材料はそこら中にたくさんある。火山国だからね。しかも原始的な製鉄に向いた褐鉄鉱がたくさん。

今でも阿蘇では褐鉄鉱(リモナイト)を掘っている。阿蘇は弥生の遺跡からたくさん鉄器が出ている地域でもある。

ダイダラボッチだけでなくて、一つ目小僧も鉄と関係してるんだけど…

それはまた次の機会に譲るとして、とにかく、柳田先生がたくさんお話を集めておいてくれて、感謝、感謝!






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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
山陰鉄の道文化圏を旅して (特殊鋼流通関係者)
2024-08-29 20:51:38
島根県の東出雲地方で安来市およびその周辺地域は鉄の道文化圏となっているが、たたら製鉄等とても興味深い観光地がある。それにしても古事記はすごいよな。ドイツの哲学者ニーチェが「神は死んだ」といったそれよりも千年も前にイザナミ神についてそうかいてある。そしてそこからが本格的な多神教の神話の世界が広がってゆくのだから。
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