柳田国男という人が昔話や伝説をたくさん調べていて、今でも手軽に文庫本で読める。
手軽と言っても、明治の人だからほとんど古文みたいなんだけど、がんばって読んでみる。
なぜならとても鉄っぽいネタが満載だから。
『一つ目小僧その他』に入っている「ダイダラ坊の足跡」には日本中のダイダラボッチ伝説を載せている。
世田谷の代田にはダイダラボッチの足跡という池がある、とか、ダイダラボッチが近江の土を掘って作った山が富士山で、掘った穴が琵琶湖だとか。その手の話がたくさん載ってる。
そして結論にはややこしい文体で2つの説が書いてあるんだけど、おばちゃん、これには納得いかないな。
ダイダラボッチは鉄のシンボルだと思う。大太郎とか太郎坊とか言うところもある。大きなタタラの坊主。
名古屋には道場法師という力持ちの伝説があって、同じ話が東浦町では百々(ダダ)法師として伝わっている。道場法師は奈良の都で鬼退治をしたという。私はこの道場法師=百々(ドウドウ)法師=ダダ法師=タタラ坊なのだと思う。
たぶん鉄をもたらした人(王)とか文化自体を指したのではないかな?ひょっとしたら製鉄炉のことかもしれないね!
鉄を知らなかった人々にとって、鉄の道具で大地を切り拓くことは、ものすごいインパクトがあったのだと思う。だから伝説は大きな土木工事事業などと結びついている。
そして日本中あちこちに点在してるのは、鉄文化が津々浦々入り込んで行ったから。
実は日本には鉄の材料はそこら中にたくさんある。火山国だからね。しかも原始的な製鉄に向いた褐鉄鉱がたくさん。
今でも阿蘇では褐鉄鉱(リモナイト)を掘っている。阿蘇は弥生の遺跡からたくさん鉄器が出ている地域でもある。
ダイダラボッチだけでなくて、一つ目小僧も鉄と関係してるんだけど…
それはまた次の機会に譲るとして、とにかく、柳田先生がたくさんお話を集めておいてくれて、感謝、感謝!