A L L S P O R T S C O M M U N I T Y ☆ N E W S
定期的にメールが来る。
いつもはあまり読まないんだけど
同感できる文章があったのでご紹介します。
なぜ 子供のスポーツに
親が夢中になっちゃうのか
うまく説明できなかった言葉が書かれています。
時間のある方は どうぞ。
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コラム | 一枚にかけた想い
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今回は、『第82回日本学生氷上選手権大会 アイスホッケー』
に出場された息子さんを持つ、
Mさんのエピソードをご紹介します。
「自分の部屋は他人にはお見せできない」
とMさんは笑う。
それは、息子がプレーする写真で埋まっているから。
2人の息子がプレーするアイスホッケーには
ずいぶん投資したが、惜しくはない。
お金では得られない楽しさと感動を与えてくれたからだ。
Mさん自身がスポーツをすることはなかった。
しかし15年ほど前、冬季五輪開催を控えた故郷 長野に
東京からUターンした時、
当時小学生だった長男と5歳下の次男が揃って
アイスホッケーを始めたことが、Mさんの人生を一変させた。
息子たちが一生懸命にスティックを握り、リンクを滑っている。
決して広くはないリンクの中で、
12人のプレイヤーがパックをめぐって争う熱は、
たちまちMさんの心を捉えた。
それからというもの、Mさん夫婦の休日は
息子とアイスホッケーに費やされていった。
息子たちが県外の大学に進学してからも
彼らを追いかける日々は終わらなかった。
片道2時間以上かけて、
大学リーグ戦が行われる会場まで車を走らせる。
会場には自分たちと同じような親たちがたくさんいた。
みんな、アイスホッケーを生で観る楽しさに
取り憑かれてしまっている。
みんな、息子が無心に打ち込む姿を見る楽しさから
抜け出せずにいる。
Mさんが息子の試合を見られなかったことはほとんどない。
おかげで、アイスホッケーによって
成長する息子を見ることができた。
おっとりとした性格の長男が
学生最後のシーズンを終える頃には、
味方を守るためなら先頭に立って相手と争うことも厭わない
ファイターに変貌していた。
対照的に、勝気で暴れん坊だった次男からは、
自分たち両親だけでなく、控えのチームメイトなど
周囲に対する感謝の気持ちと、
責任感が感じられるようになっていた。
長男の大学3年生最後の試合が終わった時のこと。
長男は泣いていた。
勝ったことに泣いていた。
悔し涙を流すのは何度か見てきたMさんだったが、
勝ったことに涙する息子の姿を見たのは初めてだった。
そんな息子を育ててくれたチームメイトたちに、
そしてアイスホッケーに、Mさんはただ感謝した。
来春次男が卒業してしまえば、
アイスホッケーをプレーする姿を
追いかけてきた日々も終わってしまう。
今、Mさんは寂しさに包まれつつある。
代わりになる楽しみは、すぐには見つかりそうもない。
だからこそ、今年も息子がプレーする試合は、全て観に行く。
今までと同じように車で2時間かけて会場まで駆けつけ、
同じような情熱をもった親たちと一緒に、
代えのきかない楽しみを、味わい尽くすのだ。
(文責:金子塾 小林)
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