《11/14読了 新潮社 2009年刊 【日本の小説 短編集】 いぬい・あきと(1971~)》
収録作品:まずいスープ/どんぶり/鮒のためいき
いわゆる立派な人は出てこないし、すごく悪い奴が登場するわけでもない。
心が洗われるとか癒されるとか、そういう要素も一切ない。
リアルと言ってしまえばそれきりだけど、そんなペラッとした表現が恥ずかしくなるような、「臭い」が充満した作品集。
それは町の臭いであり、食べ物の臭いであり、人の臭い。
そう、とにかく「人間くさい」のだ。
それでいて、なんだか地に足が着いていない危なっかしさがある。
ふと、日常から足を踏み外してしまいそうな、片足けんけんでこの世に生息してるみたいな人たち。
そこらへんの味加減が絶妙です。
味加減といえば、この第1作品集に収められている3編すべて、ものを食べる場面がやたらに多い。
たしかに、ものが食えていれば、多少人生が意外な展開を迎えても、危ないことが降りかかってきても、なんとかなりそうな気がします。
「ぴんぞろ」に比べると少しもたつくところがあったけど、やっぱりおもしろかった。
表紙の束芋の絵も最高。
/「まずいスープ」戌井昭人
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収録作品:まずいスープ/どんぶり/鮒のためいき
いわゆる立派な人は出てこないし、すごく悪い奴が登場するわけでもない。
心が洗われるとか癒されるとか、そういう要素も一切ない。
リアルと言ってしまえばそれきりだけど、そんなペラッとした表現が恥ずかしくなるような、「臭い」が充満した作品集。
それは町の臭いであり、食べ物の臭いであり、人の臭い。
そう、とにかく「人間くさい」のだ。
それでいて、なんだか地に足が着いていない危なっかしさがある。
ふと、日常から足を踏み外してしまいそうな、片足けんけんでこの世に生息してるみたいな人たち。
そこらへんの味加減が絶妙です。
味加減といえば、この第1作品集に収められている3編すべて、ものを食べる場面がやたらに多い。
たしかに、ものが食えていれば、多少人生が意外な展開を迎えても、危ないことが降りかかってきても、なんとかなりそうな気がします。
「ぴんぞろ」に比べると少しもたつくところがあったけど、やっぱりおもしろかった。
表紙の束芋の絵も最高。
/「まずいスープ」戌井昭人
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