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快読日記

読書とともにある日々のはなし
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「座右の本」原田かずこ

2013年06月13日 | 総記・書評・人生訓・哲学・宗教など
《6/12読了 宝島社新書 2013年刊 【書評】 はらだ・かずこ(1968~)》

「週刊ゲンダイ」に連載された作家・タレント・映画監督・学者・漫画家など70名の“座右の本”。

まず、人選が硬軟取り混ぜてあって(“硬”は少なめか)読みやすい。
養老孟司がファンタジーをあげているのがちょっと意外でおもしろかったし、
大林宣彦の「草の花」はぴったり!だし、
北村薫の「日本の菓子」には何かを避けたような、相撲でいえば立ち合いの変化みたいなずるい印象を持ちました。
それから、わたしは綾辻行人を読んだことがないのですが、彼があげた「しあわせの書」(泡坂妻夫)はすごくおもしろそう!
読んでみたいです。

先日亡くなったなだいなだも登場します。
奇しくも長年連れ添った夫人との日々を振り返るような内容でした。
わたしがもし“座右の書”をあげるとしたら、なだいなだの本になるかもしれません。
小説、ルポ、エッセイ、どれとも違う、“本に伴走してもらいながら、一緒にものを考える読書”をするきっかけになった作家だからです。
20代でなださんの作品に出会ったおかげで、その後の読書傾向が変わったような気がします。
初めて読んだ「人間、この非人間的なもの」を持参して講演会に出かけ、サインをいただいたのがうれしい思い出です。
休憩時間、控え室に入らず会場の椅子に座っていたなださんに声をかけたとき、興奮したなあ。

/「座右の書」原田かずこ