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《4/14読了 実業之日本社 2013年刊 【日本のエッセイ】 にしかわ・みわ(1974~)》
映画にまつわる“x”は“裸”“オーディション”“音”などなど。
“ヒーロー”の項では、かの暴れん坊横綱・朝青龍について「彼のことを「ヒール」と感じたことはなかった。野生の世界が物語などで描かれる時、ハイエナやジャッカルやシャチなどを当たり前のように悪役に回すことへの違和感と似ている。ジャッカルを生きたこともない私たちに、いったい何がわかるだろう?」(8p)と思いを馳せ、さらにこう続きます。
「朝青龍関の存在はまさに、しんねりと草をはむばかりの大人しい草食動物の国に、一頭だけ紛れ込んだ肉食恐竜の如くであった」(9p)
わかってるなあ、西川美和。
…と、えらそうに評してみましたが、映画をタイトルにしたエッセイのわりに、それ以外の話題の方がおもしろかったです。
映画だと、そこに謙遜や遠慮、いわゆる「配慮」ってやつが見え隠れするからかな。
でも、好きです。
あんまり器用じゃなくて、ピリピリした天才じゃないところがいいと思います。
昨年公開された「夢売るふたり」にウェイトリフティング選手の役で出ている女優が、役作りの指導を受けるうちにどんどんそっちの才能を開花させ、コーチが「リオを目指す」と言い出すエピソードがよかった。
人生、何が何のきっかけになるかわからないものです。
あ、香川照之(西川監督「ゆれる」に出演)のバケモノっぷり(褒めてます。絶賛してます)もすごいです。予想以上だ。
/「映画にまつわるxについて」西川美和
映画にまつわる“x”は“裸”“オーディション”“音”などなど。
“ヒーロー”の項では、かの暴れん坊横綱・朝青龍について「彼のことを「ヒール」と感じたことはなかった。野生の世界が物語などで描かれる時、ハイエナやジャッカルやシャチなどを当たり前のように悪役に回すことへの違和感と似ている。ジャッカルを生きたこともない私たちに、いったい何がわかるだろう?」(8p)と思いを馳せ、さらにこう続きます。
「朝青龍関の存在はまさに、しんねりと草をはむばかりの大人しい草食動物の国に、一頭だけ紛れ込んだ肉食恐竜の如くであった」(9p)
わかってるなあ、西川美和。
…と、えらそうに評してみましたが、映画をタイトルにしたエッセイのわりに、それ以外の話題の方がおもしろかったです。
映画だと、そこに謙遜や遠慮、いわゆる「配慮」ってやつが見え隠れするからかな。
でも、好きです。
あんまり器用じゃなくて、ピリピリした天才じゃないところがいいと思います。
昨年公開された「夢売るふたり」にウェイトリフティング選手の役で出ている女優が、役作りの指導を受けるうちにどんどんそっちの才能を開花させ、コーチが「リオを目指す」と言い出すエピソードがよかった。
人生、何が何のきっかけになるかわからないものです。
あ、香川照之(西川監督「ゆれる」に出演)のバケモノっぷり(褒めてます。絶賛してます)もすごいです。予想以上だ。
/「映画にまつわるxについて」西川美和