http://www.youtube.com/watch?v=5uqXajLUZ0I
相変わらずの暑さが続く関東。こういうときは頭空っぽにして音楽でも聞こう。
そこで取り上げてみたのがゴングのアルバム2作目"Camembert Electrique"に収録された"Tropical Fish/Selene"。
アルバムをちょっと聞いただけだとDaevid Allenのヘリウム声と単調な音楽に「なんだこりゃ?」と思わされがち。
でも慣れてくると心地良いんだな、これが。
プログレというと様式美というところもありますが、生真面目な格好良さとの対極がここにはあります。
「軟弱」な格好良さと云いましょうか。
バンドの中心メンバーであるDaevid Allenは、The Wilde Flowersから飛び出してSoft Machineを創った人物のひとり。
You TubeにはDaevid AllenがSoft Machine在籍時のUFOクラブでのライヴの模様がアップされていますが、
なんつーか、まあ怪しい政治集会のような雰囲気ですね。
当時はSyd Barrettが在籍していたPink Floydと人気を二分していたそうですが、
Soft Machineに対するDaevid Allenの貢献度はよくわかりません。
ファーストアルバムが発表された時にはもうDaevid AllenはSoft Machineを脱退した後。
脱退前の音源で聞けるものとしては"At The Beginning"(1976)というレコード盤がありますが、
ここでも殆どDaevid Allenは目立ちません。
というか初期のSoft MachineはRobert WyattとKevin Ayersの不思議な魅力が主役だったと言えます。
もちろん二人ともヴォーカルや曲作りの点でDaevid Allenの影響を受けたことを窺わせるところはありますが、
Daevid Allen自身の貢献がSoft Machineというバンドに影響を与えていたという感じはしません。
結局英国での入国拒否(Daevid Allenはオーストラリア人。外国人には入国の自由がないというのが国際法上のルール)を機に、
フランスでのソロ、そしてゴングでの活動からがDaevid Allenの本領発揮という感じがします。
"Camembert Electrique"は後のRadio Gnome Invisible3部作の序章的なアルバムとなっていて、
Daevid Allenの精神世界を描いた歌詞はこの時点で既に出来上がっています。
といっても後のアルバムとの整合性は全く無視されてはいますが。
Daevid Allenのフニャフニャとしたヴォーカルと比べると演奏はとてもテクニカル。
特にHatfield and the Northを結成することになるPip Pyleのドラムはバンド演奏をビシっと締める効果があります。
このアルバム後、人材が流動的で、終いにはDaevid Allenまでもがバンドを出ていっちゃいますが、
少なくともRadio Gnome Invisible3部作の頃まではDaevid Allenの創る世界を上手く表現していたのではないでしょうか。
アルバム"Shamal"は結構好きなアルバムですが、Pierre Moerlen中心のゴングは流石に興味の範疇外。
でもDaevid Allenはゴングに在籍していたメンバー、及び自分が離れた後のゴングもゴングファミリーの一部と考えているとか。
器がデカいといえば格好良いけれども、実のところ何も考えていないだけなのかもしれません。
でもその好い加減さがまた格好良いんだなぁ。
真ん中にいるのがデヴィッド・アレン。