野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

奥武蔵へようこそ 平成25年4月7日天覧山と多峯主山

2013年04月08日 | 奥武蔵へようこそ
(大河原地区で見かけた菜の花)

台風並みの低気圧が通過した次の日、朝起きると空はすっきりと晴れ渡っていた。こんな天気の良い日はどこか出掛けたい。でも起きるのが遅くて、もう9時過ぎである。山を歩くにはちょっと遅すぎる時間だが、飯能の天覧山・多峯主山(とおのすやま)のミニ縦走ならまだ間に合うだろう。ジーパンにスニーカーという格好で家を出て、飯能駅に着いたのは11時過ぎであった。

駅ビルの脇を進み、住宅街を抜ける細い路地を歩く。クルマの行き交う大通りよりも静かで良い。やがて交通量の多い大きな通りに突き当たるとその先は市立図書館。そして図書館の向こうには飯能河原が広がる。さて桜は…既に散ってしまっていた。なら後で寄ろう。名郷方面のバスが走る名栗街道を渡り、幼児施設の脇を抜けると桜が植えられた中央公園に出る。ここも既に葉桜であったが、祭りの屋台が出ていた。今年は天候不順に皆が振り回されてしまった。

(能仁時境内の様子 実に平和)

車道を渡り、能仁寺の境内に入る。いつもどおり舗装された道を行く。意外と人が少ない。紫色の花を付けたミツバツツジの株があったが、前日の強風でかなり花が落ちてしまっていた。ヤマツツジには時期が早いせいか、やや華やかさには欠ける。それでも芽吹きだした若葉の色が目に優しい。それに空の明るさを感じられるのも良い。もう少し経つと鬱蒼とした林となり、この明るさは感じられなくなってしまう。

(明るい参道)

舗装が終わるとトイレのある広場となっている天覧山中段に出る。ここも桜は既に終わっていた。傍らには花を付けたミツバツツジがあるが、ここも花が落ちてしまっていた。杉・檜が植えられた林に入ると頂上は目の前である。目の前ではあるが、道は回りこむような形で付けられている。岩場に置かれた十六羅漢像を眺めつつ、手すりと石段が付けられた岩場を登る。コンクリート製の展望台に上がれば、天覧山(195)の頂上に出る。ちょうど誰も居ない。以前売店の小屋があった辺りは綺麗に整備され、ベンチが置かれていた。天覧山の象徴とも言える松の木が目の前にある。展望台に上がると今日は良い眺めだ。最初に目に付くのはスフィンクスのような形をした大岳山。その右隣の平たい三角形の山は御前山だ。さらに右に奥多摩の山並みが続くのだが、特徴的な山はない。左に目をやると青白く浮かび上がる丹沢の山並みが見える。一番左の尖った山は大山だ。さらにずうっと左へ行けば、西武ドームの向こうに都心のビル群が見える。今日はスカイツリーもよく見える。

(天覧山中段)


(ミツバツツジ)


(十六羅漢)


(山頂手前の岩場)


(天覧山頂上)


(東京都心のビル群 スカイツリーも見える)


(丹沢方面)


(奥多摩方面 中央のでっぱりが大岳山)






(天覧山のパノラマ)

一通り眺めを楽しんだところで、登山者が次々とやってきた。そろそろ多峯主山へ向かおう。山頂標識左脇の道を下り、東屋の分岐を右に入る。ここはもう少し道標が欲しい。土留めの木段を下っていくと中段からの道に合流する。この先は緩やかな尾根道が続く。杉・檜と落葉樹の混在した林が続くが、奥武蔵にありがちな暗い植林ではない。相当伐採が入っているようだ。分岐には杖や真新しい道標も置かれていた。飯能市もようやく観光に力を入れ始めたようだ。良い事だと思う。

(真新しい道標 時系列的には次の段落に当たる位置にある)

多峯主山の頂上付近は杉・檜の林が広がるが、そこに至る尾根は落葉樹の雑木林となっている。新緑の美しさを堪能するには、今が良い時期だろう。思わず芽吹きの始めた木をぼんやりと見上げてしまった。暗い植林に入ると山頂へ向かって石段が延びる。やや急なので、意識してゆっくりと登る。頭上が明るくなってくれば、広場となった明るい多峯主山の山頂部(270.8)に出る。東に向かって緩やかな斜面となっていて、平野部の眺めが良い。山頂標識のある頂上に立てば、北西方面の山岳風景が楽しめる。まず目に付くのは鋭角の頂を見せる武甲山だ。その左の連嶺は大持山と小持山だろう。武甲山の手前には飯能アルプスの峰々が横たわる。武甲山から右に目をやるとまずは二子山、そして一番高く見えるのが丸山だろう。右に少し離れた所にあるのはドームを頂く堂平山だ。ミニ大岳山のような山は越上山であろう。少し下に下れば、北は日和田山、南は丹沢・奥多摩の眺めが良い。丹沢の手前に見える尾根は高尾辺りだろうか。



(雑木林の尾根)


(多峯主山頂上)


(手前に天覧山)


(中央に武甲山 左に大持山・小持山 右に二子山)


(中央は堂平山 右に越上山)


(左は日和田山)


(大岳山などの眺め)


(丹沢方面 高尾山辺りも見えているかもしれない)






(多峯主山のパノラマ)

眺めを楽しんでいると入れ替わり立ち代り人がやってくる。確かに天覧山よりもこちらのほうが良い山だと思う。下山先は以前見返り坂を下ったので、今日は御嶽八幡神社(おんたけはちまんじんじゃ)へ下ることにした。相変わらず暗い植林の中を下っていくと常盤平と書かれた道標がある。行ったことあったかな…?時間はあるし、近くにありそうなので、常盤平と書かれたほうへ入ってみる。少し行った所で前方が明るくなってきた。どうやらちょっとした見晴が常盤平と呼ばれているらしい。ベンチのある見晴へ着くと常盤平と書かれた標柱が立っていた。眺めが悪くないが、態々寄るほどでもない。

(常盤平)

御嶽八幡神社へと書かれたほうへ進むと間伐が進んだトラバース道となっている。どうやらこの辺り、随分と伐採が入ったらしい。尾根の突端へと向かうと、途中見晴台へ上がれるようになっている。木段を登り、見晴台へ上がるとそこは御嶽八幡神社であった。あれ…?こんな風になっていたっけ?以前は鬱蒼とした杉・檜の林だったはずなのだが、現在は立派な柵付きの展望台が出来ていた。大岳山の眺めが良い。御嶽八幡神社からの下山路も明るい雰囲気が続く。元々落葉樹が多かったが、上部を伐採して、更に明るくなったらしい。但し傾斜が緩くなるまでは延々と石段が続くので、木段なんかが苦手な人にはちょっと辛い道かもしれない。石段を下りきるとちょっとした湿地帯が広がる。前日からの大雨のせいか道が沢のようになっている。幼稚園の建物が見えてくれば、交通量の多い名栗街道へと出られる。永田大杉のバス停が近いので、バスで帰るのも良い。だが折角ここまで来たのだから、大里屋本店で四里餅を買っていこう。

(トラバース道)


(御嶽八幡神社)


(御嶽八幡神社展望台からの眺め)


(御嶽八幡神社下の岩場)


(雑木林の道 石段が続く)


(湿地帯)

さてお土産も買ったし、後は帰るだけだ。近くに吾妻峡があるので、そこへ寄ってから駅へ向かおう。バイゴー脇にある道標にしたがった入間川へと向かう。途中にある案内板を見ると川はドレミファ橋で渡れるらしい。どこかで聞いた名だな…。民家の路地を抜けていくと眼下に入間川が見えてきた。え~と…流れが凄く速いんですけれども…。とりあえず川の側へと下りていく。川岸には落葉樹が植えられ、なるほど新緑や紅葉の頃は綺麗だろう。が、今は川向こうに渡ることを考えなければならない。流れは速そうだが、足さえ取られなければなんとかなるだろう。思い切って足を踏み入れる。靴は完全に水没してしまったが、歩くに支障は無い。一歩一歩足を踏みしめて、何とか対岸に着いた。一先ず上に上がって靴下を絞ることにしよう。

(吾妻峡の案内図)




(吾妻峡)


(ドレミファ橋)

遊歩道を上がると材木置き場に出る。靴を脱いで靴下を絞る。靴は家でゆっくりと乾かすことにしよう。名栗街道とうって変わってこちら側の車道はあまりクルマが通らない。広い道なのに不思議だ。名栗街道と違って確りとした歩道も付いているので、歩いて駅へ帰るなら、こちらのほうが良いだろう。帰り道の途中八耳堂なる看板を見つけて寄ってみる。公民館の前にお堂があり、なかなか立派だ。祀ってあるのは聖徳太子で、この辺りを治めた大河原氏が建立したものだという。案内板によると大河原氏は八耳堂の南方にある龍崖山に砦を築いてもいたという。この辺りは造成地やゴルフ場になってしまっているけれど、どの辺りにあったのだろう。

(水仙)


(八耳堂のミツバツツジ)


(八耳堂 手前の池は増水であふれ出しそうになっていた)

八耳堂を後にし、延々と車道を歩く。このルートは山靴だと大変だろう。トレランシューズなんかが良いかもしれない。のんびりと歩いていると遠くで雷が鳴った。振り返ると北のほうはかなり空が暗くなっている。急ごう。岩根橋を前にして何を勘違いしたのか、名栗街道へと入ってしまった。本当は割岩橋を渡ったほうが駅には近かった。歩道の狭い名栗街道を足早に過ぎ、天覧山下のバス停から飯能河原へと下りる。桜の季節が終わり、増水もしているので、河原で遊ぶ人は少ない。その分、のんびりとした気分に浸れる。図書館の階段を登り、飯能駅へと向かった。

(岩根橋からの入間川)


(名栗川亭)


(飯能河原 赤い橋は割岩橋)

DATA:
飯能駅~11:36能仁寺~11:49天覧山~12:23多峯主山~12:42御嶽八幡神社~13:12吾妻峡~13:25八耳堂~
13:50飯能河原~飯能駅

地形図 飯能

初心者・家族向けのルートです。のんびり歩いて河原で遊ぶなんてのが理想でしょう。桜は終わりましたが、GWの頃はヤマツツジが綺麗です。能仁寺のツツジも一見の価値あり。新たに御嶽八幡神社がビュースポットとして整備されたので、今回のように吾妻峡方面へ下りるルートもお薦めです。こちらの記事も参考にしてください。

なお、当ブログは一時休止します。再開は5月以降を予定しています。

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