あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

悲しい王様

2012-10-13 | 本(文庫本)
伊坂幸太郎さんの『あるキング』を読みました。
読書記録はかなり久しぶりになってしまいました。この作品も読了からかなり時間が経ってしまってます。反省・反省。

ざっとあらすじから…。
プロ野球・仙醍キングスの熱烈なファンの両親のもとに生まれた山田王求(おうく)。誕生した瞬間から野球選手になるべく育てられ、両親の希望通りに成長。溢れる才能と強靭な身体、揺るがない精神力が備わった野球選手となる。
野球選手になるために生まれ、育ち、そして短すぎる人生の「最期のとき」を迎えるひとりの「天才」を取り巻く人々の様々な感情と、シェークスピアの『マクベス』が絡み合ってストーリーが展開される。


文庫本の帯に「今までの伊坂作品とはひと味違う」とありました。読後の感想でいちばん最初に感じたのはまさにそれで、もっと言うなら「ひと味どころじゃないよね」でした。
とにかく不思議な世界観で、満足感よりも物足りなさを感じてしまったのは何故なんでしょう。今までに読んだ伊坂作品にあった読後の「ひゃっほ~!」な感じがなかったのが原因か?
この作品にどう接するのが正しいのか、不安になるような、もやっとした感じでした。

主人公の山田王求。彼については、この作品を読み進めていくうちに、ある人物のイメージと重なっていました。あくまでも私が持った勝手なイメージ。それは『巨人の星』に登場したアームストロング・オズマでした。
王求はオズマのように不幸な生い立ちではなく、逆に両親から愛情をたっぷりそそがれて(そそがれ過ぎて)育ちますが、完成形が「野球ロボット」的なんです。そしてどちらも「天才」であることは間違いなく、悲しい運命を背負ってしまったところも、オズマっぽい…。
主な読後の感想がこれっていうのも悲しいか?

さてさて、あんなに暑い日が続いていたのに、急に涼しくなったりして、体調管理が大変ですが、でもようやく「読書の秋」になりました。今年も素敵な作品にたくさん出会いたいと思います。
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