メジナといえば、磯釣り師羨望の魚です。磯釣り師=荒磯で魚を釣る、というイメージがあります。しかし、東京湾京浜工業地帯の堤防や岸壁にメジナが多数生息しているという事実をご存知ですか?
東京湾京浜工業地帯のほとんどが立ち入り禁止区域です。工場やコンビナートなどの立ち入り禁止区域に入ることは絶対に出来ないので、釣りは不可能です。しかし、一部堤防や岸壁から釣りができる箇所があります。
東京湾=ヘドロの海というイメージがあります。確かに、近海の海底はヘドロです。しかし、信じられないほど沢山の魚種が生息しているのです。
クロダイ、フッコ、カレイ、シロギス、マゴチ、イシモチ、アイナメ、カサゴ、メバル、海タナゴ、アナゴ、アジ、サバ、コノシロ、カタクチイワシ、ボラなどがいます。さらに、メジナ、シマダイ、カンダイなどの磯釣り師羨望の魚もいます。
特筆すべきは、三浦半島や伊豆半島の堤防や小磯よりもメジナがよく釣れることです。メジナといっても口太メジナです。クロメジナは釣れません。さらに、黒潮の関係で、イナダ、カワハギ、サヨリなどが東京湾の奥まで入ってきて、これらの魚が釣れることもあります。
東京湾京浜工業地帯の風景
前置きはこれくらいにして、今年初めて東京湾京浜工業地帯のとある岸壁でメジナのウキフカセ釣りをしてきました。
以下に、実釣の模様を書いてみます。
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コマセを撒くと潮がトロトロと流れて良い感じ。コノシロらしき魚影がコマセに寄ってくる。コノシロの下でメジナの上下運動がチラチラ見える。これはいい傾向。
とりあえずウキ下は、メジナの基本といわれている二ヒロより浅めで始めてみる。
一投目からアタリ。しかし、ウキが10センチくらい沈んですぐに浮き上がってくる。何度かこの状態が続く。そうこうしているうちに、魚の食い気が立ってきたようで海タナゴなどの雑魚や小メジナが釣れるようになった。
しばらく雑魚や小メジナと戯れて、ようやく良型メジナらしきアタリ。メジナのアタリは、ツンときてスーッとウキが消し込むパターンが多い。良型の場合には、アタリは小さくゆっくりと消し込む傾向がある。良型メジナと意識してアワセを入れる。
アワセた瞬間は根がかりのように動かない。次の瞬間に根に向かって突っ込んでいく。ハリス1.5号とややライトタックルなので、リールのレバーブレーキと竿さばきでやりとりをして無理をしない。魚に空気を吸わせて弱らせる。ここまでくればタモに入れてゲット! 35センチの良型メジナ。
この後、潮が川のように速くなって釣りにならなくなった。東京湾では、潮汐と風の関係で潮が川のようになることが多々ある。川になるとウキフカセ釣りはできなくなる。
潮が直らないので、そそくさと納竿とした。
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以上、実釣報告でした。
丸々太った35センチの良型メジナ
良型メジナの釣り方
メジナのアワセのタイミング。ツンと前アタリがきた時には何もしません。良型メジナならウキが海中にゆっくりと消し込んでいきます。50センチくらいウキが沈んだところでアワセを入れます。ウキが消し込んでいる最中にアワセるのが、確実にフッキングさせるタイミングとなります。
良型の場合には、ウキが見えなくなるまで長く待ちすぎると、フッキングした次の瞬間に、いきなり根に突っ込まれてハリスが根擦れでバレル原因となります。また、ハリを飲み込まれても、やりとりの最中に身切れしてバレルこともあるので注意が必要です。
肝心なことは、アワセた瞬間に根がかりのように動かない場合には、良型の可能性が大きいと瞬時に意識することです。最初の突っ込みに備えて竿を伸されないように力で踏ん張ります。その後も何度か根に突っ込みます。ここからは、リールのレバーレーキ操作と竿さばきで、釣り師の腕の見せ所となります。良型とのやりとりは、経験を積むしかありません。
東京湾京浜工業地帯の岸壁には、40センチオーバーのメジナがいます。夢の40センチオーバーの良型メジナをゲットして、メジナ師の仲間入りを果たしましょう。