道東を発見する旅 第3の人生

心の風景、筆ペンのこと、気の流れ

心の風景

以前、書いた内容で、「感謝する事でなぜうつ状態が改善するのか?」という事を聞かれたので、自分の意見を書いておきます。

この命題への回答はどこにも無いと思うが、キーワードは「心の風景」だと思う。

うつ状態の人が見ている世界は、きっと身の回りに起こってくる出来事が全て、暗く重苦しいのだろう。

せっかちな人は、いつも、自分のまわりの人がのんびりし過ぎているように見えているのだろうし、怒りっぽい人は、何でいつも腹立たしい事ばかり起こるんだろうと思っているに違いない。

さらに、心配性の人はいつも回りに不安の種が転がってるように見えるのだろうし、誰でも、皆、自分と同じだと考えているが、実は人それぞれに自分の心の世界があり、見えている風景が違うのだ。

では、どうやって自分だけにしか見えない心の風景から、一歩外の世界に抜け出すことが出来るのだろうか?

筑波大学の名誉教授は、サムシンググレート、すなわち神の存在を信じて、何事も神により動かされていると考えることだと言っている。

すべての出来事に神の存在を信じる、その第一歩が何事にも感謝することであり、それが常に自分をうつ状態に追い込んでいる偏った自分の心の世界から抜け出て、新たな風景を目にするきっかけになる、という理屈である。

さて、今日は、長年、文字を書くたびに自分を嫌ってしまっていたボールペンをやめて、筆ペンに変えたことで、今や自分が自分を好きになった経験を紹介します。

自分にとって究極の筆記具

先日、普段使う筆記具を筆ペンに変えた。オーバーな言い方だけど、ここ10年くらい、ずっと自分が探し求めてきた究極の筆記具が見つかったように思っている。

難解な数式などが書いてある本を読むとき、筆ペンで内容をノートにまとめていきながら勉強していると、すごくはかどるのだ。ボールペンを使っている時に、いつも感じていた妙な違和感や落ち着かない気分を全く感じなくなった。

真っ白なノートに、一文字一文字を書き綴っていくだけで、すごく楽しい。

筆ペンだけを使うようになって3週間くらい経つ。

自分が選んだ「くれ竹の筆ペン」は、筆先がフニャフニャにならず、まっすぐや斜めの線、太い線、細い線を自由自在に書く事が出来ている。

勉強以外にも、時々、仮名や漢字の練習をしている。特に、楷書体の本を臨書するのがとても楽しい。

筆ペンで書いたノートは、後で見ても楽しいし、こんなに違う新しい世界が広がっているなんてビックリだ。

きっかけ

まず、筆ペンを使うようになったきっかけである。

2月の終わりくらいに、東急ハンズで見慣れない筆記具を売っているのを見かけた。パイロットの「筆まかせ」という筆ペンで、可愛らしいデザイン、トメルやハネルが簡単に出来るという触れ込みに心を惹かれて何本か買ってみた。

これまで、筆ペンと言えば毛筆の代わりに年賀状などの宛名書きをする位の用途しか思い浮かばなかったけど、ひょっとしたら書類を書いたり、ノートを書いたり出来るのではないかと思って使ってみた。

まあ、悪くはないか、きっと人にあげたら喜んでもらえると思い、「これはいいから使ってみて」と、まず息子にやった。それからまわりの人にプレゼントした。反応はまずまずだったが、自分で使っているうちに、どうやら、この「筆まかせ」の選択は大失敗だと感じるようになった。


筆先が何となく頼りないので直線や斜めの線を書くときにまっすぐ書けない。さらに、とめるやはねるが自分の思い通りにスムーズに書けないのだ。

これは失敗したなあと思っていた矢先、これまで話をしたことのない牧師さんから、病院の廊下で筆ペンのお礼を言っていただいた。そして、あの筆ペンで「字を書く練習をさせてもらいます」と言われたのだ。

実は、時々、ブログに出てくる、懇意にしている牧師さんにも差し上げたのだが、「チャプレン室(牧師さんたちのデスクがある部屋)でも皆さん、興味をもっておられます」という反応があったので、10本ほど寄付させてもらったのである。

習字の練習

自分は、習字の練習というところまでは想定しておらず、その言葉を聞いてかなりあわててしまった。

というのも、自分の中では、パイロットの「筆まかせ」は、その名の通り自分の思いを字に十分に反映できないまま筆にまかせるしかない、ような書き方しか出来ないのではないかという結論が出ていたのだ。

「筆まかせ」にせず、もっと自分の希望にかなう筆ペンを探そうと思い、とりあえず10数本、最終的には20数本、筆ペンを買ってきて、それぞれを比較しながら書き心地を試したのである。

同時にネットで検索し、実際に習字の練習が出来て、加えてノートや書類に気軽に字を書き込んでいける目的に合致する筆ペンはどれがいいかという調査を行ったのである。

調べた結果

ネットで調べると筆ペンは筆先が大事であると書いてある。そしてメーカーによって筆先がかなり異なっていて、それが個人的な好き嫌いにつながっているそうだ。

何年もかけて苦労して筆先の完成度をあげたペンテル、書道の専門家は「あかしや」という筆の専門メーカーの筆ペンが毛筆に近くてとても気に入っていると書いていた。色んな意見があったが、「筆まかせ」は、あまりいい評価は無かった。

20数本の中から、最終的に、自分が好きなのは「くれ竹筆ペン 二本立て かぶら 55号」で、自分の好きな書き心地で、文字を書くのがとても楽で楽しい。

これは細字、太字の両方が書けるようになっていて、その細字の筆先で書くと細かい字を精密に書くことが出来る。筆先の適度な固さが、自分の感覚を繊細に文字に反映させることができる。

他人の意見も聞きたくて、ある人にお願いして10本ほどの筆ペンを書き比べてもらった。その人は「くれ竹の美文字ぺん、極細」が好きだと言っていた。

本格的な毛筆の代わりなら、あかしやというメーカーのがいい。ペンテルの筆も結構良かったが、それでも自分はくれ竹が良かった。パイロット、ゼブラなども筆ペンを出しているが、自分はあまり好きではない。ただ、個人により好みは大きく分かれると思うので、ぜひ自分で試してください。

以上の結果をふまえて、牧師さんにその旨を説明し、追加で「くれ竹のかぶら55号」と「くれ竹の美文字筆ぺん」の極細を5本ずつチャプレン室に寄付した。

なお、牧師さん以外にも「筆まかせ」を差し上げてしまった方がおられます。この記事を参考にして、ご自分で好きな筆ペンを買ってください。ここでお詫びしておきます、すみません。

ボールペンと筆ペンの違い

筆ペンはボールペンにくらべて、字を書く点において、自由度が高い。太い、細い、曲げる、ハネる、トメルなど自由に字が書ける。その分、字を書いていて楽しいし、もっとうまくなるという上達心がくすぐられる。一文字、一文字を書くことで、それを書いている自分を好きになれる。

ただし、急いで素早く書くことは出来ないので急ぎのメモをとったりするのは出来ない。

一方、ボールペンは直線的で素早く楽に書けるのだが、いつも殴り書きになってしまう。字を書いていても自分の筆跡が気に入らないので、いつも不満感が残ったままだった。

ボールペンの場合は、インクのボタ漏れとかカスれなどがいつも起こる。一方、くれ竹のかぶら55号は使い始めて3週間ほど経過しているが、今のところ筆先がフニャフニャになったりすることはなく、納得して字が書けている。

自分にとって、筆ペンで書いていると、筆跡に自分の気の流れがのっていくような感じがする。

呼吸法の西野先生が著書に書いておられたが、中国の書の大家の筆跡を顕微鏡を使ってミクロで観察すると、墨の細かい微粒子が一定の間隔で揃っているそうだ。どうやら書道と気の流れは深く関連しているらしい。

きっと、それがあるからこそ書道は楽しいのだろうし、偉大な書は後世に残っているのだろう。

一方、ボールペンの字を支配しているのは、ペン先のボールとインクのからみであり、ボール自体は勝手に転がっていくので、筆跡にある程度の個性は出せるのだろうけど限界があるのだろう。

そんな訳で、筆ペンを使って字を書く事で、変わっていく心の世界を楽しんでいます。筆ペンに慣れたら、昔の人がやっていたように(現在でもおられますが)、墨と硯を買って本格的に書道に取り組んでみたいと思っています。

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