道東を発見する旅 第3の人生

ママチャリ、中東の町で、足るを知る

ママチャリを引っ張り出す

まだまだ寒いけど、昼間は暖かくなってきたようだ。

先週の金曜日、ずっと気になっていたママチャリの様子を見に行った。

病院の駐輪場に3ヶ月ほど放置していたのが気にかかっていたのだ。

オレンジのフレームの自分のママチャリは、沢山並んだ自転車に端っこの方に追いやられていた。3ヶ月もほったらかしだったので汚れが目立ってみすぼらしく見えた。

いつまでも放置していたくなかったので仕事帰りに西中島まで乗っていった。

そのまま自転車を買ったお店に行って、お兄ちゃんにタイヤに空気を入れてもらい汚れを落としてもらった。

来週は通勤に使おう。そう考えて西中島南方駅の駐輪場で150円を払い一時預かりの場所に置いた。

金曜の夜から月曜の朝まで放置しておく事を係員に話すと、ここから別の場所に動かしているかもしれない、と言われた。

そして、寒かった今日の朝、いつもより早めに家を出て午前6時半に意気揚々と駐輪場に行った。

無い!

金曜の夜、自転車を置いた場所に行くと自分の自転車が見当たらない。

係のおじさんに聞くと、あちこちを見て回り、ここになければ盗まれたかもしれないという。

そんな・・・と思わず絶句したが、後の祭りである。

改めて駐輪場の中をよく観察すると、自転車泥棒にとって天国のような場所であることに気づく。

そもそもガード下で通行人の視線から遮断された空間である。防犯のために囲われているわけではなく、夜8時に係員が帰った後、夜間は自由に出入りできるようだ。

駐輪場のサービス業務は外部委託でアルバイト風の初老のおじさんたちがやっており、責任の所在もはっきりしない。

ママチャリの鍵はオモチャのようなシロモノで、盗もうと思って鍵を壊すのは簡単そうである。

鍵を壊さなくても、そのまま手で運んでトラックの荷台に載せてしまえば誰からも不審がられる事もない

あああ・・・・と天を仰いだ。

どこに行ったのだろう

可能性は2つある。一つは酔っ払いや自転車の窃盗に慣れている悪党に鍵を壊されて、どこかで放置されている場合だ。

もう一つはプロの窃盗団の仕業である。

それだと、今はどこかの倉庫に運び込まれ、盗んできた自転車が整然と並べられている。そして沢山集まるとごそっとコンテナに詰め込まれて、貨物船で中東かアフリカあたりまで運ばれる。

そして現地の人が安く買って乗り回すのだろう。

最後の光景は先日テレビで見た。日本のママチャリが中東の町を走り回り、顔の濃い中東のおじさんが「ベーリーグッド」と叫んでいた。

後者だとロマンを感じるが、前者だと1ヶ月くらいして、警察から電話があり例えば、「西成区であなたの 自転車が放置されていますが、どうされますか」という情けないことになってしまう。

自分の抱えていた問題

そんな事をつらつら考えながら、今シーズン最高の寒波が来ているという朝をトボトボと病院に向かって 歩いた。

歩く事約30分、病院に着いたころは、身体が冷え切ってしまっていた。

しかし、心はクリアーになり、むしろスッキリしていた。なぜなのか?

去年の10月

ブログを読み返すことは無いのでうろ覚えのまま書く。

去年の10月だったか、あまりにもボルダリングが上達しないので、何とかしようと思い肉体改造を思い立った。それが自転車を買うきっかけだった。

まずクロスバイクを買い病院までの自転車通勤を思い立った。

ところが、家から病院までは島熊山という豊中市最高峰の山を越えなければならない。

それだけでエネルギーを使い果たすので、2段階での自転車通勤を考えた。

山を越えるのはクロスバイク、山を越えて平地では地下鉄で移動し最後の2キロから4キロをママチャリで行こうと考え、クロスバイクを買った店で大安売りしていたママチャリを買った。

しかし、予想外だったのはダイエットで体重減少のスピードが速くて自転車で身体を鍛えるところまでは気が回らなかったことだ。

だんだんと寒くなるのもあり11月頃から3ヶ月、自転車を2台ともほったらかしにしていた。

クロスバイクは自宅マンションの駐輪場で、ママチャリは病院の駐輪場で場所を占有していたため、いつも気にかかっていて想い出すたびに心が苦しかったのである。

ブレーキ性能

もう一つママチャリの方に重大な問題があった。

ママチャリはクロスバイクにくらべて極端にブレーキの効きが悪い。自分はずっと長い間クロスバイクにしか乗っていなかったので、ママチャリのブレーキを握った瞬間、これは危ないと感じた。

いざという時、例えば車が突然飛び出してきた時など、衝突するリスクはクロスバイクよりもはるかに高い。

年寄りで反射神経も鈍くなっているので、乗るのは危険だと思い始めた。

それで、嫁さんに2台目を買ったけどブレーキの効きが悪いので乗るのが怖いなんて話してしまうと、「何でそんなにもったいないことをしたの!」と小言を言われるのは間違いない。

それで、こっそりと売ってしまおうと思っていたのだ。

足るを知る

そんな訳で、ママチャリが忽然と消えてしまったが、自分の心は安堵感でいっぱいである。あのママチャリ には中東かアフリカで余生を無事全うしてほしいと思っている。

今回の事で思ったのは、自分も若くないので、あれもこれもという欲を出さないようにしなければならないことだ。

自分の見える範囲、出来る範囲で無理なくやるようにしようと思っている。

「足るを知る」という言葉がある。これはある程度の年齢に達した人(年寄り)がよくエッセイに書いていたりする。

今、まさに自分もその年齢に達したように思う。

2段階で自転車通勤だなんて、アイデア倒れで絵に描いた餅だったと反省しよう。

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