YOUTH

青春とは人生のある期間ではなく 心の持ちかたを言う
by Samuel Ullman

9月の読書メーター 読んだ本の数:15

2021年10月01日 | Weblog

9月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:5086


姑の遺品整理は、迷惑です姑の遺品整理は、迷惑です感想
奇しくも本日9/28は同居していた母親の9回目の命日である。田舎の両親を呼び寄せて同居したので遺品はそんなになかったほうなのだろうが、それでもたくさんの衣類を処分することになった。写真アルバムはいまだにとってあるが、老い先短い私のも含め、どうにかしなければと思う。CDアルバムも蔵書もどうしようか。子どもたちは要らないどころか、邪魔に思うかもしれないのだ。実母と義母とを対比しながら、嫁と娘、残された者の想いをうまく表現して面白かった。
読了日:09月28日 著者:垣谷 美雨


ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)感想
とても緊迫性に満ちた不動産投資の問題。どうやら半分は作家ご自身の経験に基づく事柄であったようだ。それにしても解説の竹信美恵子氏のすごいこと。NPO法人官製ワーキングプア研究会理事だそうで。本書は土地神話と終身雇用の崩壊をベースにしていると言われればそのとおりである。中古で購入した郊外の分譲団地は、どんどんその価値を下げて抱えるローン金額を下回ってしまう。奨学金で卒業したにもかかわらず、正社員としての道が閉ざされたままだ。竹信氏はピケティーの学説を引いて説明を進める。そして資産格差を乗り切る選択肢とは!
読了日:09月27日 著者:垣谷 美雨


レッドネックレッドネック感想
Redneckを辞書で引いてみると「田舎者」という名詞が出てくるが、本書によると差別用語であるらしい。このレッドネックの一団を印象操作して選挙を戦うというストーリー。確かにGAFAに私の情報は大いに抜かれているだろうし、ちょいちょい見ているSNSでも特定の意見しか参照していない気もする。しかし新聞で操られた大衆が大東亜戦争を強く支持したようなことは今後防がねばならないが、どうすればよいのだろうか。
読了日:09月26日 著者:相場 英雄


マドモアゼルマドモアゼル感想
『ココ・アヴァン・シャネル』はかつてAmazon Prime Videoで楽しんだ。そして最近『ココ・シャネル 時代と闘った女』が公開されたようだ。本作品の「マドモワゼル」が誰なのか明らかにされないが、結城真理の祖母久能千紗を指しているのだと思われる。母親が祖母の足跡をたどってパリに行こうとするところから物語が始まるのだが、動機が怪しげでピンとこなかった。また祖母と曽祖父の戦時ヨーロッパでの足跡をたどるのも、今ひとつ納得しにくい。それらはココ・シャネルの生き方を表現するための布石だったのだろうか。
読了日:09月26日 著者:島村匠


闘う君の唄を闘う君の唄を感想
中島みゆきの「ファイト!」から作品の構想を得たとのこと。「♪闘う君の唄を、闘わない奴等が笑うだろう♪」。前半は新任の幼稚園教師が、理不尽な保護者会との戦いに挑むという話で、なかなかユニークな対決策を採って拍手喝采である。だが、後半はなんだ?想像はしていたが犯人はそこか、と驚いた。
読了日:09月23日 著者:中山七里


合唱 岬洋介の帰還 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)合唱 岬洋介の帰還 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
単行本で読了しているが、文庫も手に入れた。巻末の中山作品56冊分の人物相関図がすごい!本作には他作での出演者が色々出てきて、正にデビュー10周年記念作品である。そのあたり解説の大森望氏がうまくまとめてくださってありがたい。こういうのが文庫版のありがたいところだ。
読了日:09月20日 著者:中山 七里


リセット (双葉文庫)リセット (双葉文庫)感想
文庫刊行によせたインタビューで著者は、石川達三「幸福の限界」では「妻とは性生活を伴う女中」のようなことを書いていたと怒っている。本書に男性の活躍はほぼ見られない。男性という性差の上にあぐらをかいた、ことなかれ主義者ばかりのようだ。それにしても「リセット」してからの3人の女性の活躍は凄まじい。自分の意見と目標をしっかりと持ち、男どもを手玉に取って生きていくのだ。私はやり込められる男性の立場の読者だが、まったくもって痛快痛快。
読了日:09月19日 著者:垣谷 美雨


さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや (時代小説文庫)さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや (時代小説文庫)感想
大ぶりの飯碗にこんもりと飯がもられ、醤油と酒に漬けこまれた戻り鰹があしらわれている。ここに土瓶のかつおだしを注ぎ、海苔と山葵と葱を薬味にぱらりと胡麻を振る。居酒屋ぜんやのさらさら鰹茶漬けである。新たな登場人物はネグレクトの娘花子と徳川民部卿治済。いやはや。シリーズ10巻目だそうがが、これで仕舞となるのだろうか。
読了日:09月18日 著者:坂井希久子


星落ちて、なお星落ちて、なお感想
若冲は高校時代にその名を聞いたと思うが、河鍋暁斎・暁翠の名は全く聞いたことがない。本作の表紙絵は暁翠作「五節句之内 文月」だそうである。明治後期から昭和に至る女流絵師の絵に向かうひたむきな姿を表わしている。およそ芸術で生きていくのは困難なことであろうに、女性としてよくぞ意志を貫いたものだと思わずにはいられない。大正12年の関東大震災の行は緊迫感に溢れ、東日本大震災を思い出した。このようなひたむきに芸術に捧げる者たちは、今の世でも、人知れずうごめいていることだろう。
読了日:09月17日 著者:澤田 瞳子


神の悪手神の悪手感想
棋譜の表現が難しかったが、小説の面白さには影響しなかった。5篇の短編からなっているが、最初の「弱い者」と最後の「恩返し」が印象に残った。「女流棋士」はいるが「女性棋士」はいないなんて知りもしなかった。二児の母であり女流棋士である上田初美は棋士として男性に及ばない原因を調べているようだ。しかし「弱い者」で対戦した子はまだ中学生か小学生くらいの性別の明らかでない子だったのだ。そしてあえて詰まずに将棋を続けていく理由のなんと悲しいことか。天童温泉「滝の湯」に宿泊した際に見た「竜王の間」が懐かしく思い出される。
読了日:09月15日 著者:芦沢 央


大連合大連合感想
2012年夏から認められた部員不足の複数の学校によるチームを「連合」と称するようだ。この作品は監督のパワハラが明らかになって部員が激減したチームと、移動中の交通事故でけが人が多く出てしまったチームとの連合で甲子園を目指すという設定である。途中、対外試合で会津に遠征する行(くだり)は会津高校出身の私には見逃せない部分である。母校も鶴ヶ城には近かったが、最も近いのは当時の若松女子高校(現会津学鳳高)だろう。概ね想像通りの進行だが、なんと言っても堂場瞬一の作品である。面白くないわけがない。
読了日:09月14日 著者:堂場 瞬一


花下に舞う花下に舞う感想
弥勒シリーズがとうとう10巻目だそうだ。毎回毎回ヒリヒリとする同心木暮信次郎と商人遠野屋清之介のやりとり。伊佐治親分も判っているから二人から目が離せない。夫婦殺しの背景をこれでもかこれでもかと深堀りしてゆく。しかしながら寺は寺社奉行の担当だが、木暮さん、いいのかい?
読了日:09月10日 著者:あさの あつこ


当確師 十二歳の革命 (単行本)当確師 十二歳の革命 (単行本)感想
自民党総裁選の話題がTVやネットでざわめき始めた。私は自民党員ではないが、右寄りの女性候補者に注目している。昔は(年寄の繰り言だが)政治家も行政官もこの国を如何にするかという気概に燃えていたのに、今や不景気に強い安定した職場としか見られていないのだろうか。いやもちろん日本の核武装なんてありえないことだ。しかし科学的根拠もなしに二酸化炭素排出量を下げるとか言われるのには困ったもんだと感じている。南方健信のような気概を持った策士なら歓迎するのに。
読了日:09月09日 著者:真山 仁


ハッピー・リタイアメントハッピー・リタイアメント感想
読メの藤枝梅安さんとじいじ@さんのレビューがスグレモノで図書館から借り出した。藤枝梅安さんの「ラベルのボレロ」に関するコメントには脱帽である。ノンキャリアの元一等陸佐と元財務官僚の二人が定年後に勤める事になったのはとんでもない天国だった。そして大型合併で追い出された銀行出身の立花女史との3人で始める大博打。シメシメの最後のどんでん返しもアッパレな楽しい作品でした。
読了日:09月07日 著者:浅田 次郎


わたし、定時で帰ります。: ライジングわたし、定時で帰ります。: ライジング感想
作品に入り込めなかったのは、コーポレートガバナンスがこれほどひどくて業界2位にある会社という設定を受け入れられなかったせいです。世の中、もっと楽しくできる仕事や生き方ってあるのだろうに、と思うこと頻りです。
読了日:09月04日 著者:朱野 帰子

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ライトノベル主体なのですが、なかなかの大作も載っていて大変お世話になっています。

 

 


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