後続機は2014年2月までに納入予定
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県警ヘリ「つるぎ」の老朽化に伴い、性能や定員数を大幅に拡充させた新鋭機が導入される。ヘリは山岳遭難事故の救助活動に欠かせないが、県警ヘリと県消防防災ヘリはいずれも老朽化し、フライトできない日数が増えていた。導入されるヘリは、ヨーロッパの山岳地帯でも活躍している機種で、山岳関係者からは迅速な救助、救命率アップにつながると期待の声が上がっている。警察庁によると、2014年2月までに納入される。
救助現場では、遭難者をヘリでピックアップできる場所まで人力で移し、そこからヘリで病院へ搬送。速やかな治療や救命率向上につなげている。
県警によると、現行機の「つるぎ」は配備から16年目となり、老朽化している。小型であるため、気象条件が厳しい山岳地帯ではエンジンなどにダメージを受けやすく、不具合や検査で飛行できない期間が増えていた。
県消防防災ヘリも老朽化し、検査期間が重なって2機とも出動できない期間も出ていた。
県警ヘリの更新をめぐっては、警察庁が本年度予算に後継機の導入費用3億5100万円を計上。標高3千メートル以上の山岳地帯でも安全に救助活動ができる大型機体の配備を目指していた。
警察庁によると、新たに県警に導入されるのはイタリアのアグスタ・ウエストランド社製「AW139」。「つるぎ」に比べ機体は一回り大きく、積載量は3倍近い2・9トン、定員は6人増の14人になる。航続時間も1時間延び、より長時間の活動が可能になる。2台のエンジンの出力も大幅に向上し、飛行の安定性も格段に高まる。5千メートル級の山岳地帯が連なるヨーロッパでも救助で実績を挙げている。
元県警山岳警備隊員で阿曽原小屋の主人、佐々木泉さん(52)は、遭難者を乗せた救助用担架をそのまま積み込めるようになるとみる。「救助が迅速化され、大きな力になる」と期待する。
遭難救助に長年協力してきた立山・剱岳方面遭難対策協議会顧問で剱沢小屋の佐伯友邦さん(69)は「これまではヘリが不在の期間もあって不安を感じていたが、とても心強い」と話す。
北アルプス・立山連峰
機体全長 16.66m
機体全幅 4.22m
機体全高 5.07m
エンジン P&WC PT6C-67C
( FADEC装備 )
最大馬力
(離陸出力 5分) 1,679 SHP×2基
トランスミッション許容出力
(離陸出力 5分) 2,200 SHP
最大全備重量 14,110LBS/6,400kg
空虚重量 8,124LBS/3,685kg
有効搭載量 5,986LBS/2,715kg