田沢湖から北東へ県道を登ると、鶴の湯温泉入口という看板を見つけた。それに従い山道をズンズン進むと、鶴の湯別館 山の湯があった。お昼は、ここで名物山の芋鍋をいただいた。鉄鍋を吊るして囲炉裏端で食べるのだが、とても贅沢な気分だ。
鶴の湯は、乳頭温泉郷最古の名湯で、千年の昔、坂上田村麻呂将軍によってその薬効が認められ、後漁師の勘助が傷が癒えて飛び立つ鶴を見て、湯小屋を開いたのが発祥だと伝えられているそうだ。タイムスリップしてしまったかのような風情ある空間だ。小雪のちらつく白濁の露天風呂や内湯の黒湯や白湯につかり、しばしときのたつのを忘れた。
鶴の湯の裏手から、ツアールの森への雪道を散策した。「ツアールの森」とは、ドイツ大使のカールツアール氏がここを訪れたときに名づけたブナの森のことだという。 少し歩くと鶴の湯峡展望台があり、おそるおそる崖の下を覘いて、鶴の湯峡をカメラに収めた。
夕方田沢湖に戻る途中、夕焼けがあまりにきれいなので思わずシャッターを切った。
2019年11月