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その山容から津軽富士とも、津軽の信仰の山としてお岩木様とも呼ばれる岩木山を訪れた。岩木山の山頂は三峰に分かれ、標高は1,625メートルと青森県の最高峰だ。8合目までは津軽岩木スカイラインでズンズン登り、そこからリフトで9合目に到着すると、ほど近くに標高1,470メートルの岩木山鳥ノ海噴火口があった。雪渓を横切りながら山頂を目指すと、冠雪残る白神山地の最高峰向白神岳を越えて日本海まで一望できた。
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岩木山を下り、弘前城の東門にほど近い可否屋 葡瑠満(かうひいやぶるまん)で小休止。お堀を眺めながら、大倉陶園のカップでいただくコーヒーとアップルパイの味わいがまた格別だ。
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弘前城から南に1キロメートルほどのところにある五重塔で有名な最勝院に立ち寄った。案内には、具には金剛山光明寺最勝院と号し、総本山は京都市東山の智積院、宗派は真言宗智山派の密教寺院で、天文元年(1532)に高僧弘信上人が開基した、とあった。仁王門で参拝者を見守ってきた仁王像の修復の際に、1653年(承応2年)制作を示す墨書きが見つかったことで、仁王像が県内最古の仁王像と判明したとのニュースが報道されたことは記憶に新しい。
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この五重塔は、寺伝によれば藩祖為信の津軽統一の過程で戦死した敵味方の供養のために建立したといわれているそうだ。 明治期の指定説明で「東北地方第一ノ美塔ナリ」とされ、総高は31.2メートルにもなるという。
2020年5月