◆正式タイトル:『OZJ 1』あるいは『OZJ1-1』あるいは『MH42-C1』と呼ばれるHDMI マトリックス セレクターのレビュー&映像信号が切れたときの対処法と主な原因
◆せっかちな人への原因と対処法
- 映像信号が出ない場合はリモコンで何度かチャンネルを切り替えるか、同じチャンネルに設定してみる。
- それでもダメなら一回USBケーブルを抜いて、再度差し込んでやりなおす。
- またUSB端子が複数あるACアダプタは良くないので、USB端子1口でかつ電流量切り替え機能の無いACアダプタを使用する。(USB-TypeC PD対応とかは、後に述べる要因から多分1口USBでもダメだと思われる)
◆以下簡易レビュー
Amazonやアリエクで売られている中華製ノーブランドHDMIマトリックス切替機で、マニュアルには『OZJ 1』『OZJ1-1』と、箱には『Model No:MH42-C1』と表記されているブツ。
複数のHDMI入力を切り替えたり、HDMI出力を分岐させて違うモニタに表示させたりキャプチャーで取り込んだりする為の機器として、もちろんHDMIセレクターとしても使える。
2つの出力先に違う映像を割り当てたりすることも可能でなおかつ音声用に光デジタル出力端子を備えているのが特徴。
似た様な物がサンワサプライから出ているけれど音声出力の制限がOZJ1-1には無く、対応規格で4K60Hzに対応の点ではOZJ1-1の方が上(と言えるかどうかは実用的には微妙なところ?)
その代わりサンワの方はディップスイッチでは無くオートで適切に入力を管理し、リモコンで簡単に音声を2chと多チャンネルに切り替えられる点がメリット。
安心して買えそうなサンワサプライの『400-SW027』
製品仕様: https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/400-SW027
これはおそらく中身が同じ、ラトックシステムの『RP-HDSW42A』
製品仕様: https://www.ratocsystems.com/products/audio_visual/matrix/matrixfull/rphdsw42a/
これは中華メーカーだけど、おそら上記二つのOEM製造元だと思われる品(型番未表記)でPorttaってブランドのブツ。
これが一番安いし5年保証を謳ってるって事は品質に自信があるんだろうけれど、実店舗に販路があるサンワやラトックに比べ、果たして5年後に生き残ってるメーカーかどうかは微妙。
話を戻して…。
最初は上の中華メーカーのOEM製品を買おうと思ったけれど、自由度と対応形式と付属品の多さが決定打となって『OZJ1-1』を購入。(定期的にセールで5000円を切る)
取りあえずこちらの用途(サブモニタにもゲーム機などの映像を出力させる)には問題なく、初期不良とかは無かったので一安心。
レビューにあったとおり時折映像信号が途切れたりする事はあったけれど、チャンネルを切り替えたり同じチャンネルにしたり、それでもダメならACアダプタを抜いて再起動でなんとかなっている。
一度安定すれば、1~2時間以内に再び症状が起こることはまずない。
だがACアダプタを複数口のある物にしたり、間にUSB電流チェッカーを挟んだら映像信号が途切れる頻度が多くなった。
複数口のUSB充電用ACアダプタは、物によって電流がごく短い時間だけ途切れることがある。(おそらく接続機器の数に応じて電流量を切り替えたりするからだと思われる)
以前ダイソーのUSB給電時計にバックアップ電池を入れてなかった頃、これが原因で他の口で充電を始めた途端2回ほど時計の設定がリセットされてしまった。
なので映像信号をなるべく途切れさせたくなければ、複数口のUSB充電用ACアダプタを使わず付属があれば付属の物を使い、無い物を買ってしまった場合は一つ口のUSB充電用ACアダプタを使えば多少は途切れにくくなると思う。
あとAmazonのマーケットプレイスには同じ形状の品がいくつも出品されているが、ACアダプターや光デジタルケーブルをつけてくれるかどうかは出品者によるので、付属品を良く見てから購入することをオススメしたい。(上のアフィリンクは一応ケーブル&ACアダプタ付きのものを設定してあるので良ければどうぞ)
出品者によってはアダプタ無しで、本体と充電用ケーブルのみ…というのも多い。
Aliexpressでは光デジタルケーブル無しの物が1000円ぐらい安く買えるが、Amazonでも5000円を切る事はあるので、不良品を引いたときの手間を考えたらAmazonで買う方が安心だと思われる。
他の(中身の基板はおそらくOZJ1-1と一緒で、外側の形が違うだけの)安いのが良ければ十分吟味すべし。
◆今日の結論
個人的には安心が欲しいならサンワかラトックのヤツ、そこより値段を追求したければPorttaのブツをオススメしますわ。
説明書見ながらディップスイッチいじらなくても、多チャンネルと2chをリモコンで切り替えられて簡単なので。
◆上で書かなかったOZJ1-1の詳細レビュー
私が買ったブランド[Nothers]かつ相手では、中身と梱包具合はこんな感じでした。
前面
SPDIFを同時出力しているかどうかは分かりませんが、ステレオミニアナログ端子は同時出力しています。
差し替えするよりこういうのを買って挿しておくと、切り替える必要がなくて便利です。
後面
底面(QCマークがあり、意外にも検品はしている様子)
リモコンはコレ
似た様なリモコンが似た様なHDMIマトリックスセレクターでも採用されているので、同じリモコンなら外側の形状や端子が違っても同型基板の可能性が高そうです。
いや…リモコンだけが共通部品で、あとは基本となる基板の海賊版の可能性もあるかも知れません。
リモコンで使っている電池はコレ。
ACアダプターについてですが、OZJ1-1の実際の使用電流を計ったところ0.5A未満だったので、付属したACアダプタがアリエクで100円未満の安物(予想)であろうが、それこそダイソーのちょっと古い物(1A対応とか)でも問題無いと思われます。
むしろ充電用の複数USB端子が付いている便利なACアダプターは、冒頭でも書いたとおり常時通電するデジタルガジェットには向かない可能性が高い事が分かりました。
なのでこの製品も付属のACアダプターを使う事を推奨したいぐらいです…PSEマーク付いていればね?
付属のUSBケーブルは50cm程度と非常に短いので設置場所に注意する必要がありますが、駄目ならダイソーとかで長いやつを買ってくればいいだけですので、そこまで気にする必要はないかもしれません。
多分安物だろうけれど光デジタルケーブルを2本付けてくれるのは有り難いですね。
一時期中華ガジェットに付いていた線が細くてバキッと折れそうなケーブルでないのは、ちょっと好印象です。
でもこのケーブルを標準で入れる構造の箱になっていないと思われ、箱の上蓋がすこし盛り上がっていました。(無理矢理詰め込んだのかな?)
前面のEDID変更ディップスイッチで、送信する画素数や音声形式を変更出来るのですが、標準の『TVコピー』(おそらく受け側のEDIDをコピーする)は完璧に機能するわけではない様です。
ウチではSONYのサラウンドワイヤレスヘッドホン用の親機(MDR-HW700DS)がくっついていて、Dolby Digital/DTS/AAC/リニアPCM7.1chなどに対応しているのですが、TVコピーだと以下の画像のように、リニアPCMの2chしか対応していないとPS3に言われました。
まあディップスイッチを切り替えて、認識させればちゃんと通るようになるのですが、それでもPS3ではビットストリーム出力の相性問題なのか多チャンネルと認識されず、PS4でようやく多チャンネルの音声が通ったのを確認出来ました。
AAC非対応だって何処かに書いてあったような気がするので、AAC対応だとセレクター側で拒否するのかも知れません。(他で試していないので真偽は不明です)
あとリニアPCMは2chしか対応していないようですが、これはサンワの方のやつもそうなので中華の安物だから…という訳でもなさそうです。
まぁ1万円切るマトリックスセレクターなんて価格帯を考えれば、サンワのも含めて安物なんだから諦めるべき所なんでしょうけど。
私はコレで充分以上に満足していますが、他人に薦めるならサンワかラトックかそれのOEMっぽいPorttaの方でしょうね。
だって以前使っていたサンワのHDMIセレクターの方が、2ch←→多チャンネル音声切替が楽で使いやすかったので