海の街diary in Yokohama city

静かな街で繰り広げられる愛猫との日常

庭に落ちていた火鉢を金魚鉢として使う、そして神楽坂の想い出

2020-05-07 13:34:27 | 日記
うちの家に数年来飼っている赤い金魚が一匹いる。以前は数匹いたのだが、環境が悪いせいか次々と死んでしまい、最後に残ったのは今いる一匹だけとなってしまった。性別はわからない。もう7,8歳になるだろうか。大きさも5㎝ほどの大きさにまで育っている。
壊れかけの透明な水槽に入れていたのだが、毎日頻繁にうちの愛猫がやってきては、中で泳ぐ金魚を捕ろうとして、水槽のガラスを前足でばんばんと叩いて困る。当の金魚にしてみれば住環境はお世辞にも良いとは言えないだろう。仕方がないので私は、紙を切って水槽の周りを覆い、テープで止めて猫に見つからないよう隠してみた。おかげで金魚は視界に入らなくなり、結果猫が水槽を叩くことはそれ以降なくなったのだが、同時に鑑賞することもできなくなった。

この金魚はあとどのくらい生きるのだろうか。はたしてこんな劣悪な環境の中でこの子は幸せなのだろうかなどと、この小さい生き物を眺める度にそう考えていた。いっそのこと安楽死させてやったほうが良いのではないかなどと考えたこともあった。

思いあぐねた挙句、昨年、友人の家にこの金魚を養子にだそうとしたことがあった。古いうえにひびの入った狭くて汚い水槽にいつまでも押し込めておくよりも、友人宅の庭にある大きな池で泳がせてやったほうが、どれだけこの金魚にとっていいかと思ったし、友人のほうも私の金魚を引き取ることにまんざらでもない様子だったのだが、残念ながら妻の反対にあって実現しなかった。

そんな或る日、裏庭を片付けていたところ、庭の隅に見覚えのない大きな火鉢が転がっていたので、早速拾い上げてホースで水をかけながらたわしでごしごし洗ったところ、埃まみれだった火鉢の中がずいぶんときれいになった。そこでバケツに入れて一日おいておいた水をその火鉢に入れて、そのうえで金魚と新しく買ってきたポンプと石と水草とを一緒に入れてやった。
それまであまり水も変えてやらなかったせいか、長年の劣悪な環境のせいだろうか、澄んだ水の中の金魚をよく見てみると、片目が大きく膨れてしまっているのがわかった。それをすぐに妻に教えたところ、今度の住環境の変化で、もしかしたら目も治るかもしれないと言っていたのだが、それから2週間ほどたっても目の状態は一向に良くならない。さらに彼女の話では、鉢の中の水を塩水にすれば病気が治るかもしれないというのだが、果たしてそんなことをしたら死んでしまうのではないかと心配になってくる。
変な民間療法で余計におかしくしてしまう前に、なんとか良くなってほしいと思うこの頃である。

あとで聞いたところによると、大きな火鉢は、妻が神楽坂の実家から貰ってきたものだということがわかった。なんでも彼女の祖々母の愛用の品だったらしい。神楽坂にある彼女の実家は古いけど大きなお屋敷だった。部屋が10以上もあって、長い廊下があったのを憶えている。だがそのお屋敷も、数年前に火事で焼けてしまい、今では跡地に大きなマンションが建っている。
私も結婚したてのころ、東京に遊びに行った際に、よくそのお屋敷でご馳走になったものである。特に近所のお魚屋さんから出前でとるおさしみや、鰻屋さんの鰻なんかは今でも思い出すたびに食べたくなってくる。

実家のお祖母さんやお義母さんが病気で療養された時などは、妻と住み込みで、介護させてもらった思い出の場所でもある。ある時など、勤め先から仕事を終えて帰宅した私が夕暮れの神楽坂を歩いて登っていくと、前から妻と、実家の大きなサンダルをはいた長女が坂の上まで出迎えに来てくれたことがあって、三人で手をつないで歩いて帰ったのが今でも良い思い出だ。

朝 ざるそば
昼 煎餅
夜 鰆の塩焼き、おでん、鎌倉野菜の生サラダ、みそ汁

2020.05.06


























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