歴史上の人物と言えば、かなり幅が広いので、日本に絞ってみる。
好きと言うか、大変尊敬できる人物は、上杉鷹山公ですね。
自分の知る限りでは、一番偉大な政治家ですね。
徳川幕府下の封建社会の藩主でありながら、今の民主主義、立憲主義に近い考え方を持って藩政にあたった方です。
君主は家臣在ってのものであり、藩民の父母のような存在であるべきだとの考え方を一生貫いています。
封建社会にあっては、家臣や市民は、藩主のためにあるものとの考え方が主流のときに、この考え方をしているところが凄いです。
自分を律するために、神様に誓約書をささげて、藩政を執り行っています。
この神様への誓約書を、いまの憲法のように、藩主の上に置いたのです。たとえ藩主といえども、その制約を超えることはできないと。
このような近代的考え方に基づいた政治形態だけでなく、経済振興についても、手腕を発揮しています。
鷹山公が藩主についた際の米沢藩は、米沢藩と書いた紙を鍋釜に付けると、金気が抜けるとまで言われたほど困窮している状態でした。
それを、生涯をかけて立て直したのです。
本人は最低限の衣服(下着まで木綿のみとした)、食事(一汁一菜を生涯)にして、まず規範を示したうえで、意識の改革を臣下や市民に促しました。
武士にも農作業や土木作業を手伝わせ、本当の意味の地産地消を行い、倹約をしました。
同時に、教育に力を入れ、武士階級以外の市民にも教育を受ける機会を広く与えて、才能を救いあげて行きました。
特産品についても、材料としてより、付加価値を付けた製品として出荷するように、技術向上などの投資も行い、家を守るとされていた武士の女性にも機織り、着物創りと積極的に働けるようにし、老人には老人にできる仕事を考えて、働く喜び、社会に参加しているという生きがいをも醸成したのです。
経済、銭勘定だけではない、本当の経世済民、人の心も向上させていったのです。
そして、鷹山公が最も忌避したのが、賭博。賭博は人の心を荒廃させ、働く意欲、人を思いやる気持ちを壊すものとして、絶対禁止にしています。
賭博をしたものには、最高刑の死刑まで課して禁止していたのです。
この結果、財政、人心とも見事に復興したことは、史実のとおり。
今の、政治家に、いや政治屋、政治業者に少しでも、見習っていただけたらいいのですが・・・、せめて市民の父母であるとの自覚だけでも・・・。
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