義父の命日。
何故か怒ってる義父の夢ばかりみる。
認知症になって怒ってばかりいたからかな。
「ごはんはまだか」
と怒り出し
デイに行くのに着替えるのを嫌がり怒る。
いい加減な私は、
着替えが嫌なら靴下も履かせず
いってらっしゃいと送り出し、
何回食べたっていいやと適当にごはんを出した。
1日4食、5食とか。
デイの迎えにでるとスタッフの方が、
「なんだか怒ってるのでもう一回りしてきましょうか」
なんてこともあった。
ワンコのごはんを食べてるのを止めたり、
行方不明になった義父を探したり、
義父の付き添いで病院に行ったこと。
食事に行ったこと。
毎日テレビを見ながら話したこと。
孫たちの話をしたこと。
まだ子犬だったワンコを可愛がっていて庭で遊ばせたこと。
思い出は笑えることや楽しいことばり。
でも、当時はそんなことばかりじゃなくて
色々あった。
夫の弟夫婦がすぐ隣に住んでいる。
元々それほど仲の良い兄弟というわけでもなかっけれど、義父の様子を見に来ることは無かったし、認知症も入院したことも知らなかったって。
義父が行方不明になって交番に頼った後
救急搬送されていて、お巡りさんに色々聞かれたわたしのことも知らない。
病院で暴れる義父をなだめていたら
看護師に「たいへんね」と言われて初めて泣いた。
かけられた言葉より同情の眼差しが辛かった。
義父の葬儀の日、夫の叔母や叔父が
「よく面倒みてくれてありがとうね」
と言ってくれたけれど
義父の弟妹より実の息子である義弟は何もなかった。
上辺だけの言葉だとしても一言あってもいいのではと思ったわたしは狭量。
もっと何かできたんじゃないか。
後悔はないけれど。
私は後悔してないけれど義父はどうだったんだろう。
家族で義父の思い出話で笑いながらも、
ごめんねと思う。
もっと早く気がついていたら違ったのかな。
「チビッコ追いかけて30分だよ、すばっしこいったら、、」
義父が汗を拭きながら言ってたのはワンコのこと。
チビッコだったワンコも、こんなに大きくなったよ。
見たら驚くだろう義父の顔が浮かぶ。
好きだった日本酒を仏壇に、
「今日もよろしくね」と手を合わせた。