カメラを持って出掛けよう

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オーケストラ活動再開

2021年03月13日 | 音楽
先週からようやくオーケストラ活動が再開しました。
練習会場には飛沫感染対策のビニール製つい立が設けられ、わざとらしい感じもしないではないですがともかく久し振りに
演奏が楽しめました。
音楽無しでも普段の生活に支障はありませんが、やはり音の響きの中に身を置くと何とも言えない充実感を得ることが出来ます。
これも音楽がもたらす不思議な力なのかも知れません。

今回のコロナ騒動に対して言いたいことは山ほどありますが、何はともあれ音楽に寄り添う生活を大切にして行こうと思います。




小説「Obralmの風」



「ええっと・・・」
「石田ですよ」
「ああそうそう石田さん」
「大変失礼なことをお聞きしますが、久保さんは以前というより昔伊丹に住んでおられませんでしたでしょうか?」
「伊丹ですか?伊丹出身ですが、どうしてそれを・・・」
「ああやっぱり!」
「そうですけど。すみませんが私には石田さんが誰なんか判らないんですが」
「失礼しました。昔三軒隣に住んでいた石田進です。といっても年が離れていたから覚えておられないかも知れませんね。姉の明子は覚えておられますか?」
「ああ覚えてるよ、明子ちゃんなら。そうか彼女の弟さんやったんか。まさかこんな形で会うとは思わんかったなあ、ご家族はお変わりない?」
進の表情は一瞬曇りかけたが直ぐに戻った。
「はい、元気にやっています」
岳は一緒に乗り込んだ電車の吊り革を持って石田と並んだ。
「そうか、懐かしいなあ・・・もう何十年前になるかなあ」
「約四十年前ですね。今も伊丹にお住まいですか?」
「今は西宮市内や、君は?」
「はい、今は高槻です」
「もう明子ちゃんも結婚されて子供さも大きくなっておられるやろうね」
「いえ、姉は未だ結婚していません」
「えっ、そうなんや、じゃあ僕と一緒や」
「そうなんですか?独身でいらっしゃるんですか」
「そう、つい婚期を逃してね。一度明子ちゃんと会いたいなあ」
進の表情が再び雲った。
「どうかした?」
「いえ、また改めてお話します。電話していいですか?」
「ああええけど、僕今月で会社辞めるんやで」
「えっ?本当ですか?で次はどちらに?」
岳は声を落として囁くように言った。
「死に仕度や」
「えっ?今何とおっしゃいました?」
「ハハハ、驚かせてすまん。僕も日改めて話すわ」
電車は既に夙川を渡り次の駅を告げる車内案内が流れ二人の会話を遮った。
岳は彼に携帯電話の番号を告げ西宮北口の駅で降りた。

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