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リコリス/マンジュシャゲ ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。
園芸用として白、黄色、オレンジ、クリーム色も流通している。クロンキスト体系ではユリ科。リコリス。曼珠沙華とも呼ばれるのは、サンスクリット語で天界に咲く花という意味。これは赤色のヒガンバナを指していて、おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典から来ている。
日本でも昭和40年頃までは亡骸を土葬する習わしがあり、墓地周辺を荒らすモグラや野ネズミを防除するため、アルカロイド(リコリン、ガランタミン、セキサニン、ホモリコリンなど)という毒成分があるヒガンバナの球根を沢山植えたため、彼岸[春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた各7日間]に咲くこの花を天界に咲く花と意味づけしている。今日ではヒガンバナ科の球根はヒガンバナ亜科[Amaryllidoideae]に約60属800種が南極大陸と一部の島嶼部を除く全世界に分布し、多くの種が多彩な色彩を持つ美しい花を咲かせることから、園芸上の交配を含めて流通している。
いずれも全草にリコリンを含み有毒。 資料 リコリン/農業環境技術研究所