もうすぐEOS R3が発売になりますが、私的な感想を述べたいと思います。
■撮像素子
東京オリンピックで2400万画素と判明してがっかりした方もおられると思いますが、私はこのスペックでキヤノンが1DX系の延長として開発を進めたと感じました。
高感度特性は変わらずで画素数を20%増やして、進化をアピールしたかったのだと思います。(画素数のために、ハイアマ向けに格下げさせられたのでしょうね。)
謎なのは、キヤノンとして珍しく自社製造で無くなった点です。元来キヤノンは、レンズ交換式のカメラ(初期の1Dをのぞく)の撮像素子は自社開発、自社製造を貫いていました。裏面照射や積層技術も出来上がっているとの噂がありますが、まだ量産に向かないということでしょうか。それとどこが製造しているのでしょうか。
■プロセッサとメモリ
発表の時にメイン基板の画像が公開されていました。
プロセッサはPCと同じように放熱用アルミのがつけられたものになっています。R5、R6では樹脂で固められたチップで、チップの大きさも小さくなっているので、半導体の製造プロセスルールを1世代以上更新したものと思われます。
面白いのはメモリ構成です。R5、R6と同様にプロセッサの周りに4つもDRAMがついています。メモリチップが4つということは、メモリコントローラーも4つあるということで、かなりリッチなプロセッサですね。一般的なPCでは2つしか積んでいないです。
メモリコントローラーを4つ積んでいる理由は、恐らく大量の画像処理を行うためにメモリの帯域を拡張するという目的だと思います。
なんとなくGPUの基板のレイアウトに似ていますね。又、是非ともHBMを搭載して最速DIGICと宣伝してもらいたいです。
■視点入力
R3の売りが進化した視点入力です。(格下げされると、もれなく視点入力がついてくるのはある意味伝統ですね。)
製品情報を見ると、瞳の動き検出がEOS3までの赤外線方式から画像処理方式に変わっているようです。精度の高さはこの方式のためと思います。ちょっと残念なところは動画では使用できないことでしょうか。是非とも実現してほしかったです。
それから、接眼部に瞳検出用の撮像素子へ導く光路があるので、ファインダーの見えの影響がありそうに思います。未だ実機を見ていないので影響度は分かりません。
視点入力に関しては、多点AFポイントの選択方法として優れていると思うのですが、何故か普及しません。昔から言われていることは、カメラマン(特にプロの方)は必ずしもピントを合わせるところ見ているとは限らないということです。視点がファインダー内を様々な場所を動いているため、視点入力でのピント合わせが出来ないということらしいです。
私は、視点入力による測距点の選択とAF駆動がおなじタイミングで、視点入力だけ行うことが独立していないのが問題だと思っています。R3で視点入力を独立できるか分かりませんが、視点入力専用ボタンがあればと思います。又、思いつきですが、レンズのフォーカスリング(又はコントローラーリング)を動かした時に視点入力を有効して、そこにピントを合わせるような機能が有れば使い勝手が良くなるのではと。
■ついでにRFレンズについて
RFレンズは、小型、軽量なものが多く、魅力的に見えます。特に70−200のLレンズは長さが短いため欲しいと思ってしまいました。
しかしながら、全体的にはデジタル補正前提の設計になってしまったのは残念です。単純なゆるいタル型補正ならまだしも、四隅がイメージサークルを下回るのはいただけません(コンデジ用のレンズかと思いました)。さらに普及レンズだけでなくLレンズもイメージサークルを下回るのものがあるとなると、ちょっとキヤノンの考えには賛成できません。今後の軌道修正に期待します。
■最後に
色々見るとR3は謎な部分が多いカメラになっているように思います。謎な部分は公表されませんが。
又、インターネット上ではR1の噂が聞かれます。来年末ということですが。。
R3の格下げ理由が撮像素子なら、撮像素子を1から作り直すことになります。そうすると撮像素子の完成は来年の夏あたり、本体側を並行開発するにしても撮像素子完成から半年もない期間でプロ機を作るのは無理があるように思います。私の予想では再来年の春ぐらいと思っています。
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