午前8時過ぎ。
そこから自転車で板取川に沿って走る。
国道256号、県道52号。
いわゆる「あじさい街道」だ。
高賀神社、円空記念館に立ち寄る。
「浮世の人を花と見るらん」、
円空の歌の境地を高いと感ずる。
高賀山への林道は全面通行止めだった。
やむを得ず、高賀山征服を諦め、
あじさい街道に戻る。
ほとんど車は通らない。
いいサイクリングコースだ。
板取川温泉に入る。
600円。
県道52号に別れを告げ、
最終目的地、河浦(かおれ)渓谷へ。
道や橋の上から見下ろすと、
恐ろしいほどの絶景である。
山紫水明とは、このことか。
15時頃、引き返す。
約67キロの旅だった。
板取川上流の水の色、
生まれて初めて見たが、
心に染みる色だった。
浅瀬は魚影が見えるほどの透明、
少し窪んだ個所は透き通った緑色。
緩やかな流れの表面に
ゆらゆら揺れる金色の網目模様。
長い間、うっとりと満たされた気分で眺めてしまった。
きらきらと陽に輝いて、
波紋が風で崩されるように漂うと、
まるで宝石が溶けて流れているようだった。
こういう美しい世界を置き去りにして、
彩乃ちゃんは名古屋へ行ったんだね。
きょうからは、
板取川は僕の心の中でも流れるだろう。
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