岐阜多治見テニス練習会 Ⅱ

駄知の0.02ミリ

自宅出発。旧駄知町へ。
陶都大橋、精華公民館前、修道院、19号線、土岐大橋、
土岐川沿いに走る県道(多治見河合線)、
土岐市、肥田川沿いの細道、
所々に残っているまだ刈り取られていない黄金の穂、
村社白山神社(その境内でおにぎりを食べる。)、
(その境内の忠魂碑を読む。
何とまあどこもかしこも似たり寄ったりの碑文であることか。
戦争反対の言明は、
一人ひとりの自分自身の言葉で叫ぶべきだ、とその時僕は思った。)
稚児岩、旧駄知町へ。
駄知の入口に、「和洋食器生産高日本一」、との看板。
そうか、そうだったのか。
それで、宮古島の居酒屋にも駄知の器があったのか。
右を見ても、左を見ても、
陶器工場ばかりだった。
殺風景と言えば、殺風景だ。
この駄知町を自転車で駆け巡りながら、
一番強い刺激を受けたのは、
ある店先の小さな看板を読んだ時だった。
その文句は、
「あなたの人生を変える0.02ミリ」だった。
笑い声にはならない笑いを自分の内部で感じながら、
僕は「他のすべての駄知の印象が消えても、
この宣伝文句だけは残りそうだ」と思った。
ところで、この「あなた」は、
男を指すのか、女を指すのか、
両者を指すのか、
あるいは、
性別には関係なく、
単に買い手を指すのか。
一度暇と相手があったら、
テストしてみたい。
そして、
もし人生が変わらなかったら、
誇大広告だと言ってメーカーに苦情を言ってみようか。
逆に、万一、人生が変わったら、
「駄知は良いとこ、一度はおいで
 町を歩けば、チョイナ、
 人生が変わるよ」と歌いたい。
  

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