俳句の切れ字(や、かな、けり)について。普通、一句に切れ字は一つだけ。一句に切れ字を二つ使うのはあまりない。夕顔や秋はいろいろの瓢(ふくべ)かな (加藤楸邨作)。臍曲がりの自分としては、しないほうがいいとされる「切れ字の併用」を、敢えて試みたいと思う。そこで、一句。「名月やなほ見てもなほ飽かぬかな」。