先月の連休中
都市公園でキアゲハの幼虫をもらった
いきものを観察する会があって
虫取り網と虫かごを持った子ども連れが
何組か集まった
セミの抜け殻を山盛り採集する少年
やたらと蝶に詳しい少年
あとは
普通の少年少女とその親が炎天下
講師の話を聞きながら
木を見上げたり
草の匂いを嗅いだり
けんちゃんは
気付くといなくて
慣れない虫取り網を振り回して
やっと見付けた小さな蝶を追い回している
もちろん
けんちゃんは捕まえようとしてるだけど
途中、
市の係の人に
息子さん、ですよね…
と遠くの方を指さされたり
少年と参加したお父さんであろう人に
黄色い服の子のお母さんですか?
さっきから人のいるところばかりで
網を振り回して危ないから
見ててあげてください
と注意されたりした
実際は、人のいるところばかりで
振り回しているのではなく
蝶がいるところばかりで振り回していて
たまたまそこに人がいるんだけど
もちろん
そんなこと言うつもりもないし
人のいるところばかりで振り回して
誰かが怪我なんて
絶対ダメ
曲がりなりにも、
かぁちゃんは保護者だし
仕方なく
けんちゃんから網を取り上げだ
だって
もう何度も何度も何度も…
人のいるところで振り回しちゃいけないと
言っていた
もともと
かあちゃん自身がその会に参加したかったし
講師の話は興味深いものばかりだったし
けんちゃんも行きたい!て言ってたけど
熱意と集中力と
その向かう方向に差異がある
虫取り網を取り上げられたけんちゃんは
地面を這う黒い虫を捕まえて
講師の一人に見せ始めた
そう、
観察が始まった頃
講師の先生は言ってたんだよね
虫を見付けたら教えて!
みんなで見てみよう
虫を捕まえたら見せて!
みんなで見てみよう
だから、けんちゃんは虫取り網を振り回し
結果
地面を這う虫を捕まえた
ボク、難しいのを捕まえたなぁ
地面を這う虫は似たような種類が多くて…
講師の一人、おじいちゃん先生は
でも、しばらくあとに
お友達で地面を這う虫ばかり研究してる方に
照会をかけたのか
その真っ黒なちいさな虫は
ナンチャラムニャムニャもどき
だと教えてくれた
会の最後
キアゲハの幼虫を欲しい人にあげる
という話があった
たくさん幼虫がついて
そのついてた植物が食害に遭ってるから
持って行って欲しい
と言う本音もあるらしく
では…と、
4匹いるのを興味持った少年と分けた
少年とかぁちゃんで2匹ずつ
餌にしていた植物もいくらかもらって
ちょっとした飼い方も聞いて
虫かごに入れて帰宅
あれから10日
もともと大きかった幼虫は
持ち帰った2日後には蛹になっていて
今朝、
そのうちの一匹が羽化していた
保育園に行く時間
玄関に置いた虫かごの中
立派なキアゲハになって羽ばたいていた
けんちゃんも
あ〜とか、おぉーとか言いながら
さすがに釘付け
でも保育園行く時間だし
このままだと餌もないからと
羽化した一匹はすぐに外に出してやった
本当にきれいなキアゲハ
はらぺこあおむしが蝶になるけど
あれは、
キアゲハなのかなぁ〜
蝶が翔んでいくのを眺めながら思った
けんちゃんは
翔んでく蝶になにやら声をかけていた
数日でも、うちにいたから
愛着わくのかなぁ
今までたまたま見付けた蝶へのそれとは
明らかに違う
優しい声だった