アラフォーじゃぱん

いろいろじょうほうはっしんするブログです。
気長に見てやってください😂

心のひだまり

2022-02-18 11:28:00 | 日記
小説みたいなの書きました。
よかったら、読んでください!
あんまり手直ししてないです💦



心のひだまり


「わたしが間違えました。」
今朝、出社したらみきさんが、上司に仕事の報告をしていた。
なにかミスでもしたのかなと思ったら、
それ以上に深刻そうな顔をしている。
「わたしが、間違えました。」と何度も繰り返している。
彼女は、半年前に転職してきた。ハーバード卒でそつなく仕事もこなしスピーディにやる。普段、あまり人に謝らない彼女だがどうしたのだろうと、心配になるとみきさんがデスクに戻ってきた。
あまり刺激しないように、自分のパソコンで手を動かす。みきさんは、まだ思案顔。
周りの人は、それに気づいているのかいないのかわからない。いや、多分気づいている。
それでも声をかけない。

午後になると、わたしは営業先へ出発した。
外に出ると日差しが眩しかった。
初夏になると、体温がもともと高い私は、額にでた汗をハンカチでぬぐう。そのハンカチを会社のトイレにでるとき、おき忘れてしまった。
また戻ると、みきさんがいて、目があった。
泣いている。普段、笑顔のみきさんが。

「わたし、ホチキスが好きなんです」
「え?」
「ホチキスでパチンてやるのが。
それで書類がきれいにまとまる。
けど、昔、怒られたんです。
そんなことばっかり丁寧にやるなって。
ひどいですよね。
わたし、ホチキス好きなのに」
みきさんは、不思議な顔をしている。それでも話を続けた。
「この会社に入社して少し経ったころ、注意されました。
でも、しょうがないですよね。
まだ慣れてないし。
それなのに、怒られて。なんかむかついちゃいました」
「今じゃ、その話をした先輩はだいぶ偉くなりました。上のフロアの高見上司です。間違えてばかりのわたしに厳しく教えてくれて、まぁ昔はむかついたけど、今では感謝してます」
自分でなにが言いたいのかわからなかったけれど、みきさんになんとなく話してみたかった。
みきさんには、何か伝わっただろうか。
ちらっとみきさんの顔を見ると、
いつもの笑顔に戻っていた。
「ホチキス好きなんて変わってるね」

私は、来月、社会人進学することになっていた。
みきさんとももうお別れ。
これから先、なにがどうなるのかわからない。
けれど、みきさんには笑っていてほしい。
あの時、話したことは正解だったのだろうか。
人と人のつながりは、簡単に築けない。
それでも、本音で打ち上げあってバカする方が幸せだとわたしは思う。
みんなが笑顔でいられるよう、
幸せを願って。




夏の陽炎

2021-12-24 19:59:00 | 日記

外は快晴。

カーテンから漏れる光。

眩しくて、光を掌で遮った。

「あー、眠い」

前の授業は、水泳。みんな疲れて厚い辞書を枕にして机に伏している。

高校卒業まで、あと少し。

教室内は、気怠さと睡眠欲に溺れていた。

中高一貫校の我が女子校は進学校で、大学受験勉強で今の時期みんな疲れている。

そんな様子をまだ中学1年生の女子たちが、廊下を列をなして通り過ぎる時、

不思議そうに見つめている。

体育の授業終わりには、下着姿になり着替える様子は、女子ながら見惚れることもある。


あの時は、わからなかった。今では感じる青年期への憧憬というか、、

私は、あの高校3年の夏を思い出として記録している。

同じ時間を共にし、別の時間を各々の家庭で過ごし、放課後は塾へ行き

自分たちは「同じ」共同体として過ごしたあの日。

同じ制服、同じ靴下、流行りの髪型。

一方、それぞれの家庭で何があったかは知らない。

朝から機嫌が悪そうだなとか、携帯を壁に投げて壊して親に怒られたとか。

同じが悪いわけじゃないけれど、夏の太陽の色を決して赤とは言いたくない。現実主義。

みんなもきっと誰かの色に染まりたい、愛した人の色に染められたいと思うこともあるはず、かな?

夏の太陽の色を「オレンジ」と教室で言い放った私のあの瞬間、

私は私色になった。


外は曇り空。

セミの声も聞こえなくなった。

少しくすんだメガネをかけて、銀杏並木の街路樹を抜けいつものクリニックへ。

歳を取った今、このあいだ眼科で目の検査をした。

網膜の一部が少し薄くなっている。緑内障の危険も考えられるから一年に一度検査をしてくださいと、医師から告げられた。

「治る可能性はありますか?」と質問すると、

「まだ大した状態じゃないですから大丈夫です」と返答された。

今では、色もまともに判断できず困っている。

夏の色、カーテンの日焼けの色、石鹸の色、虫の音色。。

医師の言うことは確かなのかもしれないが、少しずつ見えなくなるかもしれないと、思った。

待合室で椅子に座り会計を待つ間、静かにため息をついた。

親に連れられてきた赤ん坊が笑ってこちらをみる。

微笑み返したあと、気もそぞろに会計へ向かい帰路についた。


一歩、一歩歩いてきた人生。

いろんな人や色をみてきた。

赤、黒、白、透明、鼠色、黄色、、、

この人生に後悔はない。

歴史に残すものもない。

ただ、あの頃みていた景色をまたふたたび、と思う。

過ぎし過去は、美しく見える。

いつかの夢を見て、夏に死にたいと思ふ。



私小説「ある女の一生」

2021-12-18 10:44:00 | 日記



今年の春、私はとうとう35歳になった。
とうとう、というほどでもないが、現実を体に刻もうと口に出してみる。
「35歳。。」
みんなはどんな暮らしをしているんだろう、そして私はこれからどこへ向かうんだろう。
こんなことをずっと考えている。
というのも、ふうてんの寅さんのような性格や暮らしをしているせいか
私には現実というものに疎い。
そんな私を唯一、叱ってくれるのが母。
昔も今も、小言を言われればむっとくるが、恋人もいないし友達も結婚して子供もいるとなれば、
親友のような存在でもある。
母は、私の性格とはうってかわって働き者、おしゃべり上手、世渡り上手。
少しは似ればよかったなと思いつつ、日がなぼーっと暮している。

そうあの時から。

23歳、私は期待に胸を膨らませて大手商社へ入社した。
母の後押しはもちろん、父や祖母も喜んでくれた就職。
私自身も、期待と自信に満ち溢れていた。
黒のスーツを着てバッグをひっさげ、髪の毛をひとつに縛りいざ出発。
入社日当日、会社のエントランスを通過し、自分の部署へ向かう。
「えっと、24階はー」と無数にある数字の番号から24を探しているうちに、
後ろから「24階お願いします」という声。
朝の通勤時は、みんな急いでいる。故にぼーっとエレベーターの中でつったってるわけにいかないと知った。
チーン、という音と共に流れ出る人。
私もその後についていく。
渡されていたカードキーを通し、○○オフィスの中へ入室した。
「おはようございます」とまずojtの先輩が気づいて声をかけてくれ、
「日比谷さんのデスクはここだから」と示してくれる。
私は、言われた通りの場所へ行き、腰をおろし、「時間になったら、自己紹介してもらうね!」と言われた。
私は、事前に準備していた内容を空で思い出しながら、緊張に身を包まれていた。
そこへ、「あーら、新しい子?名前なんていうの?○○ちゃん?よろしくー」と、
2人組に声をかけられた。
この2人こそ、今後の私の人生の深淵にコミュ障という悩みを深くした問題の先輩、安田さんと羽鳥さんだ。
ふたりとも転職してきて、1年程だという。私は「よろしくお願いします」といいその場に立った。

あの頃、今思い出しても何もできなかった自分が歯痒い。
そして今の生活の根本的原因を見つめ続けている。
何かあると母にあたり、父と喧嘩し、泣いたあと布団の中で必ず思う。
「私って社会に必要とされていない。もう死んでもいいや。。」
昔は、自分でいうのもなんだが明るくて元気で正義感が強いタイプだった。
男子にも負けないくらい強くて、よくいじめられている女の子を守る子だった。
少し頭が悪くぼーっとすることも多かったが、基本的に弱いものの味方だった。
それは大人になっても変わらない。
「将来、私はキャリアウーマンになって世界を飛び回るんだ」という子供らしくない夢も描いていた。

しかし、現実はそう甘くない。
毎日、安田さんからは怒られ、羽鳥さんからは嫌味を言われ続け、
私の心は病んでいった。
ある朝、口の中に違和感を覚え、うがいをすると血が混ざっていたこともある。
「だから、何回いったらわかるのよ」
「新人て宇宙人みたいだよね」
「はやくしなさいよ、のろま」
あげくのはてに
「これゴミだから妖怪ってマジックで書いて捨てといて」
と言われた。
胸の中ではわかっていた。「先輩にとって私という存在は疎ましいんだろう」
そして、「この会社に私の居場所はないんだ」
数日後、私は退職届を出した。
上司からは、「訴えないでね」とまで言われた。

とまぁ、あれから10数年。
今、私はふうてんの寅。
自由気ままに生きている。
あの頃の傷は、いまだに痛む。
けれど、どうしようもない。
ため息まじりで「私は、ただの人間でもない。人間にさえもなれない。妖怪だから」と。
それは、私にどうしようも変えがたい真実であった。

しかし、母はそんな私の心をつゆ知らず、
早くまともな仕事しなさいと言ってばかり。
私も焦って探してきては、失敗ばかりで、もう生活保護をもらうか考えていた頃。
あるドラマを見た。
「それは、少女が35歳の自分にタイムスリップして夢を叶える」という話である。
なかなか全体的に明るい雰囲気ではないが、ラストはアナウンサーになって好きな人とも結婚。ちゃんちゃんといった内容である。
この物語を、みんなはどう思うんだろうと一瞬思った。
ひねくれ屋は、そんな簡単に人生がうまくいってたまるかと思うだろう。
反対に正直者は、よかったよかったと自分の可能性に期待するのだろうか。
どうやら私は後者のようで、ひとしきり最終話をみて泣いた後、
「私は会社働には向いてない。絵や文を描く仕事につこう」と決心した。
そう決意すると、行動力だけははやい私は、こんなふうに文章を書いているのである。

「35歳」
数多くの女性たちは、どうしているだろうか。
私は、その数多くの人間の、いや宇宙人か妖怪かもしれないうちのひとりである。
今、私のことを疎んだ人たちに仕返ししてやりたいとか、そういった気持ちはない。
そのかわりに、私は願っている。
誰かを疎んだり、蔑んだりいじめることのない人生でありたい。
誰かを幸せにし自分もハッピーでいられる人生にしたい。
キャリアウーマンにはなれなかったけれど、
周囲の期待も削いでしまったけれど、
私は私でありたい。
そういう願いを切に抱いている。

終わり。

不思議なできごと。

2021-12-15 11:42:00 | 日記

目が覚めたら、遊園地にいた。

みんな笑顔で楽しそう。

反対に僕の心は、何かをたたいている。

「思い出せ」

どこかから聞こえた声。


さっきまで快晴だった空が、

今はもう夕闇。

時間がゆがんでるみたいだ。

お客さんは、誰もいなくなった。

音楽さえも聞こえない。

僕は、1人その場に佇んだ。


「帰りたい」

そう心の中でつぶやいた。

でも、出口を探しても見つからない。

助けて、と思った。

でも、周りには誰1人いない。


そこへ、一匹の猫が現れた。

すがる思いで、猫の目を見た。

彼もまたこちらを見つめる。


つーっと、頬に温かいものが流れた。

気づいたら、普段のベッドの上だった。

涙。

夢の続きを追っているように、切なさがあふれた。