アラフォーじゃぱん

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前編 わたしと

2023-12-25 11:12:00 | 日記

朝、喫茶店でコーヒーを飲むのが日課。

砂糖とミルクを一つずついれる。

濃いコーヒーは飲めないのだ。

苦く深い香りが私の脳と体に合わないらしい。

濃いコーヒーは頭をコツコツと打つように、意識を覚醒させる。

必要もないのにそんなことはしない。

ただ、苦味とほのかな甘さで微妙な距離を保っている。

社会と私との距離。


私の親は3年前に亡くなってしまい、今は親しい友人はひとりふたり。

親はいくらかの財産を残して、わたしを置いていった。

特に仲が良かった家族というわけでもないけれど、

いれば普通に寄り添うことができた。

けれど、私が「しっかりした大人」になるのを見届けずいってしまった。

まだ結婚もしてないし、働いてるわけでもない。所属する場所がないことは悲しいことよ、と母が言っていた。

けれど、わたしを必要とする場所なんかないと知っていた。

だから私は時間と遊んでいた。ぼーっとして過ごすこともあれば、月を眺めて物思いにふけったり。

それをみた友だちも同じく迷子だったので

それぞれで顔を見合わせ空に並んだ白んだ月と星を眺めていた。


ある日、わたしが住んでいたマンションの隣にビルが建つことになった。

それはどんどん高くなっていき、下からでは判別できない高さになっていた。

都会は、土地を見つけたらすぐ高層マンションを建てたがる。

わたしは、もともと木造平屋建ての一軒家に住みたい思いがある。

なぜマンションに住んでいるか、その理由は鉄筋の方が「燃えにくい」からだ。

それは父から聞いた。


アドバイスと侵略の違い。

わたしは見えないものに縛られている気がする。

両親の善良さがわたしを私でなくさせる時がある。

それは大切に育てられたお嬢さんということなのか、

それとも。。。


今日の空は青い。

電車に乗って浅草へ向かった。

昔、祖母が生まれた場所。

祖母は明るく優しいひとだった。

いつも大きい海老をうどんにいれてくれた。

子供は、幸せな人と不幸な人を見分ける目をもっていると思う。

わたしは、祖母が好きだった。

その祖母が生まれた街もすがすがしく、人情味があふれている、気がして好きだ。

ここの街には不幸などないかのように感じる。



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