ばりん3g

マイクラ補足 兼 心理学のつぶやき

"マナ"は現実の産業で用いられるエネルギーネットワークとして説明できるか?:工業modと魔術modの差分明確化の重要性。

2024-05-17 | 投稿動画の補足

先日、「Botaniaは工業modか?:Minecraftの工業modの定義と要素の明文化について」を投稿したところ、ある視聴者さんとの議論が大いに盛り上がったため、備忘録的に記載する。

文脈情報の欠如を避けるため、原文を記載する。



視聴者:
製作者が工業といってるわけだから工業なのでは?
と一言でまとめられるけど、Botaniaの本質は工業だと思う
花やマナと魔術らしさはあるものの見かけ上だけであり
花を発電機マナを電気と置き換えると工業Modの紹介にしか思えない
なんなら送電時の距離減衰あるしある側面から見ればMekanismより
工業してると言えるのかもしれない


筆者:
おっ殴り合いですか? 受けて立ちますよ。

Botaniaの本質は工業である、という点について。「なんらかのエネルギーを利用し、加工を行い、ともすればその伝達に限界や減衰が生じている」ことを工業の本質とみなし、この特徴をもって工業modと分類した場合、ほとんどの魔術modは工業modと言えるでしょう。すべての魔術はエネルギーネットワークの構築と利用が主軸ですが、それらはすべて工業と言えるのでしょうか。エネルギーネットワークの構築と利用のみで、工業modを分類できるとは思えません。今回提唱した定義のうちに「電力など現実の工業で用いられる動力源を基盤としたシステム」を含んでいるのはそのためです。
また、この記事で扱っている工業は、金属加工等の重工業的生産行為を指しています。Botaniaは「確かに工業らしい」と言える要素はあるかもですが、それが重工業として直接的に描写されているとはいいがたいです。

以上の理由より、現時点ではBotaniaを工業modとして扱うのは難しいと思われます。
ただし、なにをもって"工業"とするかはいまだ揺れが存在します。現在は重工業の領域を暫定的に工業と定めています(重工業を中心とした機械による加工操作が要素の大部分(実稼動的観点から)を占めていること)。が、ここを突き、Botaniaで行われている製造過程が工業的描写であると証明すれば、定義が拡充され、Botaniaを工業modとして扱えるかもしれません。
現在の定義では、特に農林水産や畜産を扱う機械を導入するIndustrial Forgoingは工業modの定義に入っていません。しかし、大半の場合、このmodは工業modという扱いを受けています。この主観と定義の差分から切り崩してみるのは有効でしょう。

 

視聴者:

あまり魔術modに詳しくないので一部怪しい部分はありますが、Botaniaのエネルギーは魔術modと比べると現実に即しているエネルギーが多いです。石炭や水力?や太陽光など。一方魔術modではVisなるものや血、マナなど。これらを踏まえると同じとは言い難いとは思います。そもそも魔術を「一見不可思議なことを知られざる合理的手段で達成する手練の技。 」(コトバンクより引用)とするのであればマイクラが不思議パワーがありすぎて、議論が始まらないので今回は省略します。
Botaniaにおける金属加工については鉄含む金属などにエネルギーを与えて変質させたものを使うことはよくあることです工業modではGregが該当します。そして大半の工業modで行える鉱石倍化についてですが、現実に即した方法がとられていません。具体的に説明すると長くなるのですが、(しうさんがゆくラボ2Part9で解説しています。ステマじゃないよ)上記の定義に当てはめると金属加工は工業modの定義を定める上では除外して考える必要があります。

以上からBotaniaは魔術要素を含む工業modとして作られたmodというのが判断できます。

完全に余談ですが、Botaniaは「とある魔術の禁書目録」世界における上条当麻のようにどちらつかずの本人(製作者)曰く科学サイド(工業mod)のような立ち位置ではないでしょうか

テスト前なので短文かつ思慮浅はかな回答となってしまい申し訳どざいません

 

筆者:
楽しくなってきた。

エネルギーネットワークについて。
現在の工業modの定義には「電力など現実の工業で用いられる動力源を基盤としたシステム」が含まれています。Botaniaのマナ生産には現実の発電方法を思わせる様式が見受けられますが、そもそも"マナ"が「現実の工業で用いられる動力源」をモチーフにしているかどうかが不明瞭です。たとえ生産方法が工業らしい、輸送手段が工業らしいであっても、あくまでも"らしい"であって。
なぜ「現実の工業で用いられる動力源」という指標を用いているのかというと、エネルギーネットワークの差分を明確にするため、現実の指標を流用していることが挙げられます。
この場合、現在工業modとして認知されているmodの数多くで運用されているエネルギー単位である"RF"が「現実の工業で用いられる動力源」をモチーフとしているのかについて、同様に議論する必要があります。

鉱石処理などの工程が現実の工業に即しているかについて。
これには実装上の理由が伴います。基本的に、現実の要素をゲームに落とし込む際、スペックや容量の観点、あるいは娯楽要素の確保のために、事象に対する解像度を落とすなどの処置がとられます。このため、「現実の工業に忠実であること」を工業modの定義とした場合、かのGregですらはじき落される可能性があります(そもそも機械が1㎥なんぞに収まらない、という話になるため)。
現在の工業modの定義である「重工業を中心とした機械による加工操作が要素の大部分(実稼動的観点から)を占めていること」には、現実の工業に忠実であることが要件として求められていません。あくまでも、現実の工業を題材として、解像度を最適化したものという認識です。
また、Botaniaが工業modと主張するには、現在の定義においては「重工業を中心とした機械による加工操作が要素の大部分(実稼動的観点から)を占めていること」を説明する必要があります。実稼動的観点というのは、Botaniaを実際にプレイする際に、重工業あるいは工業をモチーフとした要素の割合が過半数を超えている、ということです。
ただし、「重工業を中心とした機械による加工操作」を工業modの定義とするかは、いまだ議論中ではあります

ここから抽出できる問題は「工業や魔術で用いられるエネルギーネットワークを、どの項目に従い分類するか」「分類を決定する際、現実の要素をどれだけの割合で参照するか」となります。
問題に対する提案として、記事でも述べたように「単にひとつのラベルをもって分類するのではなく、複数のラベルを付けられるようにし、それぞれの比重をもって「これは特に工業的な要素が強い」と判断するのが吉」でしょう。
また、魔術modと一般に称されるmodのエネルギーネットワークの特徴を列挙するのが、工業modその他ネットワークとの差分を明確化するという意味で、適当であると考えられます。「一見不可思議なことを知られざる合理的手段で達成する手練の技 」をいちから定義するのは難問かと思われますが。というか、きちんと定義出来たら広義の科学に当てはまって、科学的手法になるのでは…?

 

 

謝辞:
コメントしてくれた視聴者さん。勝手に記事にしちゃってごめんなさい。


Botaniaは工業modか?:Minecraftの工業modの定義と要素の明文化について。

2024-05-12 | 投稿動画の補足

筆者が管理人を務めるDiscordサーバーにて、「Botaniaは果たして工業modか」という投げかけから生じた、工業modの定義を問う議論の一部を抜粋。筆者の考察を加筆したものになる。

論文とか書いたことないし論理学超苦手なので、基本ガバガバ推論です。ごめんよ。

 

 

1:GUI管理できないのはいかがなものか


2:自動採掘や倉庫要素があるけど…


3:AE倉庫も工業かと言われると怪しい。
→電力駆動系界>工業類 みたいな感じがいいかしら。


4:電力使うなら工業でしょ?


5:自動化できるMODは工業だと思ってたがこの理論だとArsNouveauやBloodMagicが工業になるな


6:じゃあクリエイトをどう説明しますか?


7:バニラも自動化できるから工業!()


8:クリエイトも電力使うものあったような


9:Createは工業ではない派いそう


10:自動化できないと工業ではないのであればIE2は工業じゃないのか……


11:Createは'動力'はつかうから


12:工業という領域の中に,”電力を使うMod全体”が部分集合として含まれているという認識です.ゆえに,電力を使わない工業があってもいいが,電力を使うならばそれは工業である


13:最近話題のやつ(GTCEuM)


14:自分は''産業''で機械を使用してある事が工業MODの定義だと思うんですよ 


15:工業→原料を加工して有用物とする産業


16:バニラでも自動化装置とかトラップタワーは大分工業的だよね


17:うわ〜ん、このままじゃcyclicを工業扱いする人が出てきちゃうよ〜


18:最近のバニラなんて自動クラフトが実装されるらしいですよ奥さん


19:産業で動力が魔術的じゃないものが工業って事でいいんじゃない?(諦め)


20:マナをRFにできるダイナモなかったっけ


21:やめて定義破壊しないで


22:Addon含めちゃうとほとんど連携できちゃうから…
→あくまでも、本体のmodのみで考えた方がよさそうだ。


23:中間素材の作成を効率化出来るものとか...?


24:Mana Fluxfield(Botania)
Vis発電機(TC)


25:EE2のかまど燃料もかまど燃料で発電する発電機にぶちこめば発電してくれるしなぁ


26:ニッポニカで工業と調べると,
”農業、林業、漁業、水産業、牧畜業、鉱業など、自然に存在する資源を採取または育成する産業に対して、これらの生産物に道具や機械によるなんらかの加工を施すことによって多種多様な生産物(製品)を、一定の場所(たとえば工場)で一定量、連続的に製造する産業を工業industry、または製造業manufactory industryとよんでいる。”
らしい
つまりEnvironmental Techは工業Modじゃない!
→この定義は使えそう。mod本体で採集→加工→利用が完結するもの、またはその一部に寄与するもので考えるのがよさそう。


27:ようするに錬金工業とか魔工業とかの分類が生えるってこと?


28:資源を生み出すやつは一次産業なので,工業扱いは出来ないわけだ
たとえ電気を使うとしても


29:cyclicはまあmysticalagryculturとかと似たような立ち位置


30:そもそも工業と一括りにするのがわるいのでは


31:そのModがナラティブを意識しているかもかなり重きを置きそう
→法的観点も追加するか。すなわち、そのmodが工業的運用を想定しているか否かも工業modの範疇にはいるか、とするか。


32:魔剣と呼ぶように魔工と呼ぶ


33:電力駆動系でいったんくくって、その中で工業とか倉庫系とかを区切るのはどうだろうか。


34:GregTechを純度100%の工業とした割合で表そう(?)
→何かの基準を定め、そこから計っていく。悪くない。
 ここまでを踏まえて、工業modは生物のドメインではなく、心理学概念を定義するように、いくつかの要素を持ち合わせているmodという風に処理したほうが都合がいい。


35:Gregは化学Modです


36:それはそう


37:Gregもドラゴンエッグ発電機あるし純度100%ではない気がする
これ、重箱の隅
→「現実に即しているか」と「工業としてのリアリティはあるか」は別基準にした方がよさそうだ。


38:それ言ったらナクアダとかどうすんの


39:ドラゴンエッグ発電機はSFだからセーフ(?)


40:ここで登場、純度0%のExponentialPowerくん
→電力生産のみ。これは「工業とは言えない」代表例となるだろう。


41:やはり始祖工業であるBCとIE2が純度100%なのだろうか 


42:ForestryForMinecraft


43:ffmは養蜂家になれるmodだよ
→他の生産業的側面も見せるmodはどうすべきか。それこそ「何を目的としているか」というmodの方向性にゆだねられるのでは


44:ExU2にはGridPowerという謎エネルギーもあります


45:IC2は農業modです
→「プレイヤーによる指向性」は判断基準から除いた方がよさそうだ


46:MODによって特徴が違うから定義無理すぎるこれ()


47:工業とはで調べたら重工業と軽工業が出てきたのでぺたり
【重工業】
繊維・雑貨・食料品などを生産する軽工業に対して、大規模な生産設備を擁し、主として重量の大きな生産財・資本財・耐久消費財を生産する工業。 鉄鋼業・非鉄金属工業・化学工業・機械製造業など。
→特に金属製品の生産・加工・活用を指す単語。解りやすい。工業を意識しているmodが図らずとも踏んでいる特徴だ。


48:結論,今のふんわりした”工業Mod”というくくり,実は悪くない


49:魔術とか冒険とか,”工業以外のMod分類”がまず先にあって,それらに分類されなかった余りモノが”工業Mod”なのではないか? 
→悪手である。悪魔の照明と論法が同じである。この場合、では魔術modの定義は如何様か、というお話になる。


50:化学の発展には錬金術が大きく関わってきたし
魔術が今の科学体系にどう影響を及ぼしたのかはわからないが錬金術は確実に化学の礎になっているのではないだろうか


51:AIに聞いてみました

´´´
Minecraftの工業modは、以下のような要素を持つものが多いです。

資源の自動化採取・精錬:鉱石や木材などの資源を自動で採掘・収穫し、精錬するためのマシンや設備を追加します。

電力システムの導入:モッドで追加されたマシンや設備を動かすために、発電機や電力網などの電力システムが導入されます。

工業用マシンの追加:組み立てマシン、粉砕機、圧縮機など、現実世界の工業用マシンをモチーフにした装置が追加されます。

生産ラインの自動化:ベルトコンベアやパイプラインなどを使って、資源の輸送や製造工程の自動化を可能にします。

高度なアイテムやブロックの追加:新しい鉱石、合金、複合材料など、バニラのMinecraftには存在しない高度な素材やアイテムが追加されることが多いです。

テクノロジーツリーの導入:プレイヤーが新しい技術や機械をアンロックするために、研究やアップグレードのシステムが導入されることがあります。

これらの要素を組み合わせることで、Minecraftに工業化と自動化の要素を加え、ゲームプレイに奥行きと複雑さを与えるのが工業modの特徴です。代表的な工業modには、IndustrialCraft、BuildCraft、Thermal Expansion、Mekanismなどがあります。
(Claude3 Opus)
→今まででちらほら触れられてきた要素を包括的に扱っている。これらのうちいくつかが当てはまれば、真に工業modである、と言っても差し支えなさそうだ。


52:【悲報】Greg、代表的ではない


53:細かいところに目をつむれば大元はあっているかもしれない


54:大抵の工業化modとか自動化可能なmodは一次二次産業の要素を持ってるからこういう議論になる

 

 

これらを踏まえ、工業modの定義を提唱したい。以下の定義は、工業mod固有の性質を指し示すものであり、工業modの要素すべてを説明するものではない。また、modに付随するAddonsなどは除外し、あくまでもmod単体で考えた時のものとする。

 

・工業modとは、次の要素を含むMinecraft modのことを指す。「電力など現実の工業で用いられる動力源を基盤としたシステム」「重工業を中心とした機械による加工操作が要素の大部分(実稼動的観点から)を占めていること」「アップグレードやティアー、あるいは扱える機械の幅広さなどの観点から、技術的漸進性が導入されている

 

資源採集の自動化や輸送については、Botaniaなどの魔術modにおいても広くみられる特性であり、工業mod特有の要素ではない。

AE2などの電子倉庫系は、電力駆動かつ、漸進性が認められるが、重工業的要素ではなく倉庫運用や輸送運用がメインコンテンツのため、工業modとは言えない。

Industrial Forgoingは電力システム、マシンフレームによる漸進性が認められているが、コンテンツの多くは農林水産または畜産の自動化にあり、重工業がメインではない。これに関しては、「重工業をメインコンテンツとする」という定義の改良も考えられる。

Createは電力システムではないが、現実の産業で広く扱われた風力・水力などの動力源、また蒸気動力を用いている。また技術の漸進性が認められ、重工業的機械によるライン組み上げも、このmodの要素のひとつである。しかし、CreateはMinecraftの創造性を拡張するかの如く振る舞い、建築の方面においても特化されている。それらの要素を軽んじ、Createを単に工業modであると言い切るのは早計である。

 

Createのように、複数の要素に特化したmodの扱いについて。この場合、単にひとつのラベルをもって分類するのではなく、複数のラベルを付けられるようにし、それぞれの比重をもって「これは特に工業的な要素が強い」と判断するのが吉だろう。この場合、他のmod分類を定義する必要があり、他のmod分類の特性との競合は慎重に議論していく必要がある。
以上を今後の課題として掲げ、本記事を締める。

 

謝辞
この議論に参加された方々に一言。
「勝手に抜粋して変な考察添えちゃってごめんなさい」

画像引用
https://www.curseforge.com/minecraft/mc-mods/botania