ばりん3g

マイクラ補足 兼 心理学のつぶやき

人間は考え方次第で、行動するかしないかが決まる。

2021-06-30 | 旧記事群

2014年に発表された論文によると、成長マインドセットの時は課題に関することに集中し、固定マインドセットの時は周囲の反応に集中するとのこと。

 

巷でよく聞く『マインドセット』というのは、その場その環境によって構築された個々の考え方のことを指す。

で、成長マインドセットは「自分の能力は努力と分析で変えられる」「自分は成長できる」という前向きな姿勢のこと。

固定マインドセットは「自分の能力は生まれつき、遺伝で決まる」「自分は成長できない」という後ろ向きな姿勢のことである。

 

そしてこの論文は

成長マインドセットの時はたとえ失敗しても、失敗から学ぶという行為に身を移しやすくなる(カッコつけて言うと、フィードバックを得やすくなる)。

固定マインドセットの時は、「失敗したことを周りからどう思われているか」ばかり気になり、行動に制限がかかるか行動しなくなる。

と、述べている。

 

個人の思い込みや考え方、つまりマインドセットが、生産性や成功などにどれだけ影響が出るかはまだわからない。それぞれのマインドセットから計れる差はどれぐらいなのか、計測は難しい。

何故なら固定マインドセットに陥っている人は、そもそも行動すらしていない可能性が高いからだ。

だから「固定マインドセットから成長マインドセットに切り替えることで、成長し成功する」みたいな、巷で出回る俗説はあながち間違いではない。

実際、成長マインドセットに切り替えたことで失敗に対する捉え方が変わり、学習機会が増えるのは確かだ。

 

ただ、マインドセットがその場その環境で変わるものである限り、それらは択一で単調で単純ではないことを、頭の片隅に置いてほしい。

 

 

参考文献

Hans S.Schroder et al. (2014) Mindset induction effects on cognitive control: A neurobehavioral investigation.


ASDだから興味が偏っている、わけではなさそうだ。

2021-06-29 | 旧記事群

2017年に発表された論文によると、選り好みにはASDと健常者との間で有意な差はなく、性差で判別できる選り好みの偏りは確認できたとのこと。

ただし、特定の分野『有名人』に分類されるものには、ASDはそこまで興味を示さなかったよう。

 

ASDとは『自閉スペクトラム症』とも言われ、主に他の人とのやり取りが上手ではなく興味が偏重しやすい特徴を持っているとされている。原因は脳の特定領域での異常とのこと。

で、ASDの興味の偏重の様子は『極端な男性脳』と比ゆされるほどに、特定の分野に対しての関心が異様に高いとされてきた。例えばガジェット系や電車など、ステレオタイプな男性の好みが、ASDにも当てはまるとされてきた。

 

ただ、今回取り上げた論文のように、最近はその論調に待ったをかける論文も多い。その論調に待ったをかける証拠もそろい始めている。

そして知的障害を伴わないASDは男性の比率がかなり多いため、そもそも『極端な男性脳』が計られやすい土台があり、数値に偏りがあるとの指摘も。

 

ASDを『極端な男性脳』かどうかで判断するのは、する側の思考が極端である、というオチ。

今後は興味の偏重度合いではなく、対人関係での反応に焦点を置いたほうがわかりやすいかもしれない。

 

 

参考文献

Ivy Y K Cho et al. (2017) Circumscribed interests in adolescents with Autism Spectrum Disorder: A look beyond trains, planes, and clocks.


疲れている時にSNSをすると、より疲れる。

2021-06-28 | 旧記事群

2011年に発表された論文によると、SNSの使い方やSNSから受ける影響は自尊心の度合いにより変わってくるとの事。

具体的には、自尊心が高い人はSNSを癒し目的で使うことが多く、自尊心が低い人は嫉妬心からくる承認欲求を満たすことに使うことが多い、とのこと。

 

自尊心が低い人は自分で自身を自信をもって肯定することができず、自分のある姿やその価値基準を他人に委ねてしまう。委ね先が匿名希望であったとしても。

もしくは自分自身を肯定することができないから、有名人の発言などの些細なことで「自分がけなされている」と錯覚し自己正当化に陥りやすいのかも。

それらが原因か、自尊心が低い人が行うSNSの使用方法だと、人間は鬱になりやすくなるとも言われている。

というよりかは、『自尊心が低い』という鬱になりやすい土台があり、それを刺激するものとしてSNSがあるといったイメージだ。

 

忘れがちだが、SNSは現実だ。

自尊心を保つ方法が、自尊心が崩れたときの対処法が有効なのは、現実と変わらない。

まずは寝ろ、話はそれからだ。

 

 

参考文献

Sonja Utz et al. (2011) The Role of Social Network Sites in Romantic Relationships: Effects on Jealousy and Relationship Happiness .


幸せになるためのお金の使い方とは?

2021-06-27 | 旧記事群

2011年に発表された論文は「お金を使ってより多くの幸せを得るための8つの原則」を主張している。

 

その8つとは

①物品よりも経験にお金を使おう。

②親友などの親しい間柄の人のためにお金を使おう。

③ドデカい幸せや価値を買うのではなく、小さく連続した幸せを買おう。

④延長保険などの高額な保険を避けよう。

⑤金銭の消費に継続性を持たせよう。

⑥購入した商品が日常生活にどのような影響を与えるかを考えよう。

⑦比較ショッピングなどの『買わせる』ための戦略にはまらないようにしよう。

⑧親しい間柄とのささいな幸せに気づけるようになろう。

とのことだそう。

 

「人間は物品よりも経験や体験に心を揺さぶられやすく、また親しい人のためにお金を使ったほうが幸せになりやすい、と別の研究でそう示唆されている」

「また強く短期的な幸福は、どれだけそれが強烈であっても人間は慣れてしまう。ながく幸福でありたいのであれば、些細な幸せに気づけるよう余裕を持たせておくことが重要になってくる」

「あとは価値基準や認知をゆがめてくるような外部からの刺激の存在を知り、対策し、また時々買ったものへの再評価も行おう。認知のゆがみはたいてい不幸を生むからね」

8つの条項とその理由を簡単にまとめると、こういった感じ。

 

これらを踏まえてお金をどう使うか、どれだけ稼ぐかは個人の自由だが。

少なくとも「お金を稼げば幸せになる」のは否定せざるを得ない。

お金はあくまでも、道具にすぎない。

 

 

参考文献

Elizabeth W.Dunn et al. (2011) If money doesn't make you happy, then you probably aren't spending it right.


断続的な断食は、健康にいいのかも。

2021-06-26 | 旧記事群

2005年に発表された論文によると、断続的断食や適度なカロリー制限は健康によく、また寿命も伸ばすらしい。

断続的断食とは「1日のなかである一定時間カロリー摂取を行わないこと」を指している。

つまりこの論文は、断食を介し過度な摂食や過剰な間食を減らしたりして、消化器官・循環系への負荷を減らすことで健康体に近づけるかも、という主張だ。

同論文内には「断続的断食には脳機能への間接的な関与もあるかもしれん」との主張も。今後の調査で理解が深まれば、脳機能の発達という名目で断続的断食が話題に挙がる可能性も……?

 

ただ、この辺りの話題の扱いは慎重に。

どれだけのカロリーを摂取すればいいか、どのように摂食すればいいか、断食の許容範囲、などは個体ごとに大きく違ってくる。

断続的断食やカロリー制限を取り入れるのであれば、自分の心身を客観的に観察し、無茶や無理だけはしないように。

間違えれば逆効果にも、取り返しのつかない事態をも引き起こしかねないからね。

 

 

参考文献

Mark P.Mattson et al. (2005) Beneficial effects of intermittent fasting and caloric restriction on the cardiovascular and cerebrovascular systems.