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赤松敏弘Vibraphone Connection・談話室

ジャズは即興という割には昔から「形」を気にする傾向がある

ジャズは昔から形を気にする。今までの経験から言えばそれはホント見た目だけのこと。

例えば、メンバーにエレキベースを選んだとする。もうそれだけでジャズではない云々が始まる。
ヴィブラフォンという楽器でしかもウルウルとビブラートを使わないとピッチも揺れないから音叉(おんさ)の集合体のような音環境が整う。ピアノのように複数の弦の震えによって増幅されている楽器でも同じだと思うけど、ピッチの悪い相手とは演奏し難いものがある。

そこでエレキベースだとピッチが明確でヴィブラフォンの場合はブレンドしやすい。多分アコースティックベースと違って箱鳴りしないで金属の弦が直接畝るのでヴィブラフォンの鍵盤の金属の響きと通ずるものがあるのだろう。
ところがピアノだと弦楽器同士ではあるもののピアノよりも発音がシンプルで一本の弦から太い音が出るエレキベースは意外と難しい。やはりピアノの場合は箱鳴りというものが欲しくなるのだろう。
かといってピッチの悪いアコースティックベースがいいとは思わないが。

ともあれ色んな理由からエレキベースを入れるとヤンヤと言われた経験がある。それ、見た目で言ってるでしょ? 事情わかならいでしょ? 先入観でしょ? 若い頃、いつもそう思ってそういうことを言う人を見ていた。

だから、こういう「形」からモノを言うのが好きなんだ、ジャズは、となる。必然的にそういう「形」が集まる場所へは足を向けなくなる。放っておいてくれ、ってね。

あんなにヴィブラフォンにビブラートがかかっていないとおかしい、と言っていた人たちが演奏の腕が上がると文句を言わなくなった。それどころがビブラートを使っていないことに気づかなくなった。多分見ない限り、そんな事をとやかくいう人は半分もいない。見たらクルクルと回っていないのは誰にでもわかるが、聴いて気にならないなら全く問題なしだ、と33歳の時に思った。

形は「スタイル」ってことであり、そうなると今度の形はフレーズとかリックの話が出てくる。確かに手っ取り早くそれらしくするには便利だけど、それらしくの「それ」が示しているものもまた「形」。

周りは形として見えるけど、中身はさて、どうかな?
「早く形を覚えろ」的なことを今でも言い放つ人もいるが、結局音として感じているものがなければそれはちっともカッコよくないし、グッとさせてもくれない。「形」とかよりも、驚きや発見の方が優る。

いろいろだったなー、って、それら全てを呑み込んで今の自分が仕上がりつつある。


そういえばジャズは昔から形を気にする。その場、その瞬間、という割には・・・ね。

※あるエレクトリックベーシストへのレス

このトピックにいただいたエレクトリックベーシストの方へのレスより。

今でこそアコースティックベースもアタッチメントなどで音量の増幅が当たり前となり扱い難い楽器からの脱却がされましたが、一昔前は音量の点一つとっても使い難い楽器だったと思います。その点、エレキベースは日常に深く根付いた楽器として揺るぎない地位を確立しています。

この事に気がついたのは70年代のダウンビート誌のジャズメン人気投票の結果を見てでした。ベース部門の上位にスティーヴ・スワロウ(el-b)が入り、そのうちにジャコ・パストリアスと人気を分け合うのが見て取れたのです。ジャズの本国と呼ばれるアメリカではベースはアコースティックもエレクトリックも分け隔てないのに、なぜ日本ではアコースティックとエレクトリックで偏見を持たれるのか? なんのことはない、「見た目」でしか音楽を語れない者がそうやって狭い世界を覆い尽くしていたわけです。

それが80年代、90年代、2000年代になってやっとまともな耳を持って音楽を語る時代になったと。

ヴィブラフォンのビブラートの有無も、ベースのエレクトリックの否かも、全く同じ連中の仕業。時代はいつかは変わる、です。ピックアップで増幅されたアップライト・ベースが電化された楽器であるのを誰も否定できないですからね。あとは箱鳴りしているか、していないかの違い。

でも、そんなことよりも、演奏している音から感じるものがあるかどうか、なんです。

 

 
 
 
【期間限定公開/無料動画】
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最新の動画です。2022年11月に栃木県足利市のartspace&cafeで行われた彫刻家藤岡孝一氏の個展BLUEの中の「JAZZ in BLUE」での演奏からダイジェスト。
約27分間の動画です。
写真をクリックするとartspace&cafeのページに飛びます。最初にコマーシャルが入る場合がありますのでご注意ください。
演奏:Toshihiro Akamatsu(vibraphone) Hakuei Kim(piano)
 
・Straight, No Chaser......Monk
・Violet Rays.....Toshihiro Akamatsu
・Synonym......Toshihiro Akamatsu
・White Forest......Hakuei Kim
・Beyond the Dream......Toshihiro Akamatsu
・Lake Sagami......Hakuei Kim
・The Gleaner......Toshihuro Akamatsu
enc
・Blue in Green......Miles
 
Nov/13/2022 artspace&cafe @ Ashikaga, Tochigi.
 
Coming Soon!
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2023年5月18日(木)湘南・茅ヶ崎「Storyville
18:30開場/19:00開演

Majestic Colors Trio
赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh,vo)


MC 4400円 + od
問い・予約 0467-91-9604

ACCESS:茅ヶ崎駅南口から徒歩1分

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【最新プロデュース・アルバム】
 
2023年1月25日発売!
現在の東京のジャズシーンで既にライブでは人を振り向かせる存在となりつつある新人実力派ヴァイビスト・吉野智子。今回そんな彼女のデビュー作のプロデュースを担当しました。
KALEIDOSCOPE / カレイドスコープ
Tomoko Yoshino / 吉野智子
3000円+税
2023年1月25日発売 (WISE RECORD/WR-202301)
 
全国のCDショップ及びネットショップからお手元に。
 
■演奏
Vibraphone : 吉野智子  Piano : 雨宮彩葉  Bass : 鉄井孝司  Drums : 小田桐和寛
 
皆様、応援宜しくお願い致します!
 
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■赤松敏弘 official site VIBRAPHONE CONNECTION
発売中のCD、ライブ情報、電子書籍やインタビュー掲載誌等、ジャズ、ヴィブラフォン、演奏法、ジャズセオリーと、ジャズやビブラフォンの周りにある様々な疑問も解決するお役立ち情報も満載。
1997年開設以来のユーザーからの様々な質問や情報交換もアーカイブとして保存中。是非一度お立ち寄りください。
( http://www.vibstation.net )



■赤松敏弘 FaceBook ( https://www.facebook.com/akamatsu.toshihiro/ )




■赤松敏弘 Twitter

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【サブスク ヴィブラフォン】
 
2000年発売のアルバム「Next Door - birth of the “Swift Jazz”」から
2020年発売の「Next Door - New Life」まで、
VEGAレーベルで発売した10枚のアルバムから人気曲を
高音質でお届けしています。
 
 
色んな意味で生活の中で占める音楽の比率がコロナ以降高まりつつあります。
「聴いて」楽しむ音楽!
好きな時間に、お気に入りの場所で、くつろぎながら
そこでは無限の想像力が、あなたをお待ちしています。
 
 
是非どうぞ!
 

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それでは今日も楽しい一日を!

 


【放送 / ラジオ、テレビ

今週のオンエア (5月11日~5月19日) 
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)

番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』

癒しの映像+最新のニュース+最良の音楽。

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■平日(月〜金) 5:00〜6:00 ■金曜 25:35 都知事定例会見終了後 〜27:00
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“路面電車のある風景 - 1”

『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)


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■日曜 23:00〜24:00
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“ねこの足跡”

21年6月、7月、8月、10月ヴィブラフォン部門【Amazon's Choice】選出作品『NEXT DOOR - birth of the swift jazz/赤松敏弘』(2000年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p)養父貴(g)新澤健一郎(kb)平石カツミ(b)斉藤純(ds)相内勝雪(mnp)他。

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■日曜 24:30〜25:00
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散歩の風景 夏から秋

『KALEIDOSCOPE/吉野智子』(2023年プロデュース作)


演奏:吉野智子(vib)雨宮彩葉(p)鉄井孝司(b)小田桐和寛(ds)



首都圏以外の方はこちらの「エムキャス」で全国からスマホやパソコンでリアルタイムにお楽しみいただけます。
★エムキャス→https://mcas.jp/c/mx2.html
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