ジャズを聴き始めた(小五)頃、まだ誰の名前も知らないままに実家のテナントのジャズ喫茶から僕の部屋に毎晩漏れ聞こえる摩訶不思議な音楽の中で、最初にピンと来たのがギターのラリー・コリエル。当時はビートルズに続いて様々なロック・ミュージシャンがギターをかき鳴らしていたし、その中のフィードバックやファズのサウンドには馴染みがあるので聴きやすかったラリー・コリエルに惹かれたのかもしれない。
ハービー・マンのアルバムをタイトルも知らない(もちろんマンの名前も)けど、漏れ聞こえて覚えた1曲めの“メンフィス・アンダーグラウンド”のリフをレコード店のジャズコーナーのお兄さんに歌って聞かせて探り当てた『Memphis Underground』(1969年)のライナーノーツは未知の世界への扉だった。
ラリー・コリエルのプロフィール欄に早々と後の恩師となるゲイリー・バートン(当時はゲーリー・バートン)の名前を見つけ、翌月にはゲイリーのアルバムに手を出し、もう一つ歌って聞かせてゲットしたリー・モーガンの『The Sidewinder』からトランペットのマイルス・デイビスへと触手を伸ばした。
そんな中学生が自分の好きなジャズというものが、街で流れているジャズと少しばかり異なるのを感じつつも、好きなものは好きでどんどん触手を広げジャズにのめり込んでいった。
ギターやヴァイブ、ピアノとフルートがもっぱらターゲットだったけど、時々耳にする“妖艶なジャズ”の音にも興味があった。
それが二管編成。
トランペットとテナーサックス、それにリズムセクション。
マイルス・デイビスは当時ビッチェスブルー、イン・ナ・サイレントウエイ、ジャックジョンソン、アット・フィルモア、とかなり意欲的なアルバムが連発していて、それはそれで好きなのだけどちょっと雰囲気が違った。
そうこうする内に出て来たのがナント、大好きなラリー・コリエルの入ったこのアルバム。
『SCORE / Randy Brecker』(Solid State/1969年)
1. Bangalore – 4:34
2. Score (Hal Galper) – 7:17
3. Name Game (Galper) – 5:14
4. The Weasel Goes Out to Lunch (Traditional) – 1:21
5. Morning Song – 4:09
6. Pipe Dream – 4:33
7. The Vamp (Galper) – 5:14
8. The Marble Sea – 5:44
Randy Brecker – trumpet, flugelhorn, arranger
Michael Brecker – tenor saxophone
Jerry Dodgion – alto flute
Larry Coryell – guitar
Hal Galper – piano, electric piano, arranger
Eddie Gómez – bass
Chuck Rainey – Fender bass
Bernard Purdie, Mickey Roker - drums
January 24 & February 3, 1969 @ Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
セッションは新主流派、ジャズロック、ボサノヴァと大まかに三つのスタイルの音楽を日によってメンバーを変えて録音されている。 当時のレコードのジャケットに入っていた解説が何処かへ行ってしまったので改めてCDでリイシューされた時にみて気が付いたのが、この録音があのヴァン・ゲルダー・スタジオで録音されていたのが意外だった。
ランディー・ブレッカーもマイケル・ブレッカーものちに人気スター・プレーヤーになるんだけど、この時は兄のランディー・ブレッカーのうまさは聞いてわかっていたけど、弟のマイケル・ブレッカーの演奏はそんなに印象に残っていなかった(中学生のくせに生意気だけど)。
7年後にAORのマイケル・フランクスのアルバムでマイケル・ブレッカーを聞いて腰が抜けるほど驚いた!
さて、肝心の「中学生が感じるジャズの怪しい雰囲気」がこのアルバムで見つかった。
3曲めの“Name Game”。 最初から怪しい雰囲気で始まるこの曲。
当時描いていたジャズの妖艶で怪しい雰囲気にぴったりで、この曲ばかり何度も何度も繰り返し聞くものだから、曲の最後にはレコード針で傷つけたポツリ音があるし、最初のあたりには針落としで擦り切れたシーという雑音もある。
でも、何度も何度も繰り返し聞いた。
この時に思った。
トランペットやサックスはこういう怪しい雰囲気(いかがわしいという意味ではないが・・)が出せるのに、フルートやヴァイブではなかなかこうは出来ないもんだなぁ、と。
それが羨ましいかというと、今ではそうではないが、この世界に入った頃に、ちょっとだけ羨ましく思ったことがある。
中学生には怪しい雰囲気=大人の雰囲気、とでも感じたのかもしれないね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最高の季節に安曇野で音楽三昧、いたしましょう。
Day-1
信州・安曇野のベーシスト中島仁氏のアルバムPioggiaから広がる新しいConnectionが秋の安曇野に大集結。 さらにライブの翌日には「お楽しみ」の企画も。今年の秋は信州で大いに弾けましょう!
2022年10月15日(土)信州・安曇野 蔵のカフェレストラン 清雅 開場 18:30 開演 19:00
料金:3,500円 + ドリンク代 500円
(出演)
中島仁(b)
望月慎一郎(pf)
赤松敏弘(vib)
酒井麻生代(fl)
長野県安曇野市豊科3550-1 tel 0263-72-3982
ご予約・お問合せ: 電話 0263-50-5541 (営業時間 11:30〜16:00,18:00〜22:00、月曜定休)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Day-2
2022年10月16日(日) 13:00〜 (14:30終了予定) トークライブ
【タイムスケジュール】
2022年10月16日(日) @いさつ歯科医院 12:30 開場/ 13:00 スタート / 14:30頃終了予定
出演 : 中島仁、望月慎一郎、赤松敏弘、酒井麻生代
司会・進行 伊佐津和朗
メインテーマ : ECM 私の一枚
出演者それぞれが推しの1枚を挙げて解説し、皆でリスニング 質問コーナーなど盛り沢山。
【料金】 1,500円(飲み物付き)
10/16はメールのみでの予約・お問い合わせになります 中島仁宛→ bluecloud1945@gmail.com
会場 : いさつ歯科医院 長野県安曇野市豊科南穂高シダーウォルトン通り4742
どうぞお楽しみに!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■赤松敏弘 official site VIBRAPHONE CONNECTION
発売中のCD、ライブ情報、電子書籍やインタビュー掲載誌等、ジャズ、ヴィブラフォン、演奏法、ジャズセオリーと、ジャズやビブラフォンの周りにある様々な疑問も解決するお役立ち情報も満載。 1997年開設以来のユーザーからの様々な質問や情報交換もアーカイブとして保存中。是非一度お立ち寄りください。 ( http://www.vibstation.net )
■赤松敏弘 FaceBook ( https://www.facebook.com/akamatsu.toshihiro/ )
■赤松敏弘 Twitter
それでは今日も楽しい一日を! 【放送】
今週のオンエア (10月10日~10月16日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【テレビ】
番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』癒しの映像+最新のニュース+最良の音楽。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
月〜木曜 放送時間 26:00〜27:00
───────────────────
“ねこの足跡”21年6月、7月、8月、10月ヴィブラフォン部門【Amazon's Choice】選出作品『NEXT DOOR - birth of the swift jazz/赤松敏弘』(2000年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p)養父貴(g)新澤健一郎(kb)平石カツミ(b)斉藤純(ds)相内勝雪(mnp)他。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
金曜 25:35 都知事定例会見終了後 〜27:00
日曜 12:00〜12:30 祝日12:00〜12:16
───────────────────
“路面電車のある風景 - 1”『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
土曜 6:00〜7:00 / 13:55〜 / 26:30〜27:00
日曜 6:00〜7:00 / 26:05~26:35
───────────────────
“猫の足跡 看板猫”22年1月、ビブラフォン ジャズ部門【Amazon's Choice】選出作品 『TIDE GPAPH/赤松敏弘』(2007年作)
演奏:赤松敏弘(vib, mar)ユキ・アリマサ(p)松島美紀(mar)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
月曜〜金曜 17:00〜 (東京シティ競馬中継の時はお休み)
───────────────────
“東京点描 城南1”『SPARKLING EYES/YUKARI』(2021年プロデュース作)
演奏:YUKARI(vib,mar)飯島瑠衣(p)中林董平(b)森永哲則(ds)guest:赤松敏弘(vib)
首都圏以外の方はこちらの「エムキャス」で全国からスマホやパソコンでリアルタイムにお楽しみいただけます。
★エムキャス→https://mcas.jp/c/mx2.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
変わらずのんびりとやっております。