昨日(1/11)の午後、本八幡のCool jojoというお店に行った。三人のヴィブラフォンの有志が始めたジョイント・ライブを聴きに行く為に。京王線から一本で繋がる都営新宿線ながら馬喰横山から先は初めて。鉄分多めのくせに地下鉄探検はあまり熱心では無いようだ。その話は置いておいて。
彼らはプロではなくアマチュア。最近セッションと名乗ってお店が週末や休日に集客しているのとは違って、あくまでも自分たちのバンドでやりたいことをやる、という当たり前の趣旨に賛同し興味があった。
ヴィブラフォンという楽器からすれば気軽に、または手ぶらでふらりと腕試し的な場所に行ける楽器と違って、出かけるとなると車に楽器を積んで、運んで、組み立てて、駐車場を探して、終わると再び分解して、車に積み込んで・・・・・労力もコストも全く割に合わない。
中には楽器を組み立てるスペースが客席を潰すので断られた、なんて話も聞く(笑)
かくいう僕もセッションのホストバンドとして出演したことはあるが、それはあくまでもギャラを貰う仕事が前提にあって、しかもステージに上がれるのはプロのみ。それでも僕の名前があると楽器があるので、オールナイトセッションの場合は本番の終わったヴァイビストが帰りに遊びに来てくれて、そこで出会ったヴァイビストとは今でも繋がりがある。そういうことでは意味のあるものだった。
本八幡のCool jojoというお店は初めて行ったが、弟子たちが出演しているので名前は随分前から知っていた。そこにMusserのM55が置いてあるのも。
これは僕が高校の時に松山で出会った同郷の先輩ヴァイビストでもある藤井寛さんの楽器で、先のオールナイトセッションにも遊びに来ていたノンちゃんこと有明暢子(藤井暢子)さんが持ち込んだもの。お店に楽器があるというのはヴァイビストにとってセッションという場合の大きな利点。
三人のヴィブラフォン有志がこういう企画を立てられるのも、そういうCool jojoならではの環境が後ろ盾にあるようだ。
前置きが長くなってしまったけど、それだけヴィブラフォンをやる人間にはセッションというものが無縁である、という現状を知っていて欲しかった。
この日が一番いいのは、生半可なセッションではなく、自分のバンドでやりたいことを発表する場であること。その出来がどうのとかではなく、やりたいことを楽しんでやっていることが一番。何の目的もなくただ集まってもそこでは出会い以外に何も生まれないから。
13:00からは「すぎたにばんどびぶらーと」メンバーはチラシを参照
二本マレットで軽快な演奏の杉谷さん。少しクラシカルな香のするレパートリーを揃えていた。淡々とした演奏でソロを続けてゆくなぁ。心の動きが感じられる部分もちゃんとあるし、音楽的な構成でも楽しませようとするサービス精神が。途中から歌が入りやがて終演。バンドのサポートでは特にギターが素晴らしかった。ベースも前に出過ぎずにドラムと共にアンサンブルを支えていましたね。
ヴァイブに関して言えば、感情の起伏に沿うようなダイナミクスが加わるともっともっと説得力が増すでしょう。
13:40からは「大森友子カルテット」メンバーはチラシを参照
四本マレットで自由奔放なスタイルの大森さん。途中でドラムとスイッチしたりして客席を楽しませる構成。レパートリーもウェイン・ショーターとかコアなというよりも、ミュージシャンズ・スタンダードが多く、かといってヴォーカル(ドラマー)はJ-Popとその振り幅が両極端なのがやりたい事と一致していて面白かった。
ジャズばかりで物事を考えないのは大切なこと。ヴィブラフォンで出来ることを楽しんで人前で発表している。
途中ドラマーが歌いながらヴィブラフォンでオブリガートを演奏するのが意外にアリだなぁと感心させられた。ポップスの世界でそういうパフォーマンスをする人が出てくるといいねぇ。
帰りがけにマレットのグリップについて少し話した。あのままでは怪我をするかもしれないので。役に立てばいいね。
14:20からは「CJ Jazz Quartet」メンバーはチラシを参照
ライブによく来ている東くんのセット。彼はいろんなヴァイビストのライブに顔を出してそこで何かを得ようとしている。そういう姿勢はとてもいい。一人ではなく満遍なく見ればいろんなことがわかるだろうから。
前二つのバンドと比べるとコアながらジャズの王道的な構成を効かせるステージが楽しいというのが伝わるものだった。
結婚式でやるとかやらないとか(あまりにも話題が身内っぽくてよくわからなかった/笑)の時のギターも良かった。アンサンブルという点では音量バランス(全員で一つのサウンドを作る点では重要)が取れていて聞きやすかった。
マレットは扱いにくいマシュルームヘッドのものを使っていたので、右手のフォルテが強すぎて音が汚いのが唯一の欠点。ダイナミクスによってヘッドの角度を変えなければマシュルームヘッドの効果を引き出せないから研究の余地ありですね。
三者三様なヴィブラフォンのバンドがジョイントするライブ。こういうのはどんどんやって欲しい。
出来不出来ではなく、自分のやりたいことをどれだけ人前で出来た、出来ないかが生半可なセッションに行くよりも大切。
ヴィブラフォンという少し特殊な楽器だからこそ、こうやって具現化して行かないと出来ないことがあるんですね。
皆さんお疲れ様でした。
そしてとてもいい時間を過ごさせてもらいました。
この次聴くときは二倍も三倍も自分のやりたいことが膨れ上がっていますように!
♪♪♪ THE MEDIA
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毎週土曜日午後7時から、好評放送中!
次回・1/18(土)19:00- 第42回「ライバル登場!」をお届けします。お楽しみに。
【放送 / テレビ】
今週のオンエア (1月12日〜1月19日)
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)
番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』
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■平日(月〜金) 26:00〜27:00 ※金曜都知事定例会見の時はお休み
🆕 “工場夜景クルーズ”
『MY REAL BOOK - Season 1 & 2 / 赤松敏弘』(2023年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh,vo)酒井麻生代(fl,alt-fl)須川崇志(b,cello)小山太郎(ds)望月慎一郎(p)平石カツミ(b)岡部洋一(perc)
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■金曜 25:35 都知事定例会見終了後 〜27:00
“路面電車のある風景 - 1”
『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)
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【テレビ】
昨年好評だった赤松meetsハクエイ+市原+小山+須川SPBの横濱ジャズプロムナード2024のステージが放送されます
横浜ケーブルビジョンYCVチャンネル①(地デジ11ch)
1/18(土)19(日)21:00-22:00
※この後順次各局で放送。各局の放送予定は追ってお知らせします。
出演:
赤松敏弘(vib)
ハクエイ・キム(p)
市原ひかり(tp,vo)
小山太郎(ds)
須川崇志(b,vc)
2024年10月12日 横濱ジャズプロムナード2024にて収録
どうぞお楽しみに!
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新レーベル、AMS RECORD(アムズ・レコード)
MY REAL BOOK - Season 1 & 2 / 赤松敏弘
(AMS-23001)定価3.000円(税抜)
通算17枚目となる赤松敏弘のvibraphoneに、レギュラーメンバーのハクエイ キム(p)市原ひかり(tp,flh,vo)須川崇志(b,cello)小山太郎(ds)によるグループ・インターアクションが6曲(含む赤松&ハクエイDUO1曲)と、話題の望月慎一郎(p)を迎えて酒井麻生代(fl,alt-fl)平石カツミ(b)岡部洋一(perc)と繰り広げた絵画を眺めるようなジャズ。ライナーノーツ:高井信成。
動と静、夜と昼、都会と自然、二つの異なる世界を一つのアルバムとして作り上げました。
今回は下のサブスク・サイトでも世界同時配信。ストリーミング、ダウンロード。そして今回はハイレゾ配信も行っていますのでどうぞご利用ください
━━━ Magazine Interviews, CD Reviews ━━━
■ジャズ批評 24年1月号 No.237 (23年12月24日発売)
【インタビュー】P106~109. 赤松敏弘 音と沈黙は背中合わせ『MY REAL BOOK - Season 1&2』リリース
4本マレットを駆使し、美しい音色を奏でる日本を代表するヴィブラフォン奏者の赤松敏弘が自身のレーベルAMS RECORD(アムズ・レコード)を立ち上げ、通算17枚目をリリース。完成度の高いアルバムに仕上がった。タイトルに込めた思い、レーベルを立ち上げのわけなど詳しく語ってくれた / 取材:編集部
【新譜紹介】P160. 驚くべき成熟がここにある。熟成しかつ濃密な音楽。これが現在の赤松敏弘の驚異的とも言える到達点だ / 文:小針俊郎
出版社:ジャズ批評社 発行間隔:隔月刊 発売日:毎隔月24日 サイズ:A5判 参考価格:1.320円
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■Jaz.in 24年1月号(23年11月27日発売)
【巻頭】P16~19. 赤松敏弘 世界的ヴィブラフォン奏者が紡ぐインプロヴィゼーションの奇跡。その音楽的原点にあるもの / 取材: 高井信成
【Jazz Record Guide】
P28.『MY REAL BOOK - Season 1&2/赤松敏弘』「2つの異なる世界を1つのアルバムとして作り上げた」、見事にその意図がしっかりと具現化された充実した作品 / 文:小島良太
出版社:シンコーミュージック 発行間隔:月刊 発売日:毎月24日 サイズ:A4判 参考価格:1.177円
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■JAZZ LIFE 12月号(23年11月14日発売)
【新作インタヴュー】P14~15. 赤松敏弘「通算17枚目のリーダー・アルバムを発表」対局に存在しているふたつのバンドの演奏を収めた僕流のリアルブック / 取材:長門竜也
【Disc Review】P37.『MY REAL BOOK - Season 1&2/赤松敏弘』人生を2シーズンに分け、独自の“リアルブック”を著した作品 / 文:長門竜也
出版社:ジャズライフ 発行間隔:月刊 発売日:毎月14日 サイズ:A4判 参考価格:970円
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サブスク配信(NexTone)サイト
どうぞご利用ください。
■AMS RECORDの第二弾『SOMETHING'S COMING / MIKI』(AMS-23002)
世界初!432hzサヌカイ陶琴アルバム【Something's Coming(何か起こりそう!)/MIKI】
マリンバ奏者でもあるMIKIがこの楽器と出会って得たインスピレーションから全ては始まっています。
インストによる即興演奏であることは現代ジャズのフォームと何ら変わらないものの、もう一つの「あちら側」の即興演奏の要素も取り入れて、AMS RECORDのレーベルポリシー「音と沈黙は背中合わせ」の一翼を担うものです。
SOMETHING'S COMING / MIKI
(AMS-23002)定価2.273円(税抜)2024年3月13日発売
演奏 : MIKI (サヌカイ陶琴) サポート : 赤松敏弘 (シンセ、サヌカイ陶琴 on tr M4, 7 & 9 )
━━━ Magazine Interviews, CD Reviews ━━━
■Jaz.in 24年4月号(24年2月26日発売)
【Jaz.in Portrait (インタビュー)】P72~73. MIKI ハンドメイドな楽器だから、次に何が起こるかわからない、その時にしかできないことを作品に閉じ込めた / 取材: 島田奈央子
【Jazz Record Guide】
P31.『Something's Coming (なにか起こりそう)/MIKI』「本作には、大変驚いた。マリンバの名手MIKIが全曲で、「サヌカイ陶琴」を弾いて・・・」/ 文:高木信哉
出版社:シンコーミュージック 発行間隔:月刊 発売日:毎月24日 サイズ:A4判 参考価格:1.177円
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■愛媛新聞2024年2月26日(月)刊
【芸能】サヌカイ陶琴 詩情豊か
『マリンバ奏者MIKI(松島美紀、松山市出身)が3月13日、インストゥルメンタルアルバム「SOMETHING'S COMING(なにか起こりそう)」をリリース。今作では香川県産の石サヌカイトを使った陶琴を鳴らし、詩情あふれる癒しの音楽を届ける。ジャズビブラフォン奏者の・・・』 / 文:山口淑子
発行所 : 愛媛新聞社 発行間隔 : 日刊
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CDのお求めは→■ディスクユニオン ■タワーレコード ■HMV ■Amazon 他
サブスク直リンクはこちら
どうぞよろしくお願いします
【期間限定公開/無料動画】
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最新の動画です。2022年11月に栃木県足利市のartspace&cafeで行われた彫刻家藤岡孝一氏の個展BLUEの中の「JAZZ in BLUE」での演奏からダイジェスト
約27分間の動画です
演奏:Toshihiro Akamatsu(vibraphone) Hakuei Kim(piano)
Nov/13/2022 artspace&cafe @ Ashikaga, Tochigi.