3年前、岡 檀 (おか・まゆみ) さんの「生き心地のよい町」を読みました。
日本で一番自殺者の少ない町は徳島県南部にある海部町(かいふちょう)(現海陽町)だそうです。
自殺者予防因子を探るため著者は4年にわたってフィールド調査やデータ解析をしました。
その結果「自殺の少ない町では、赤い羽根共同募金と老人クラブの加入率が低い」ということがわかったといいます。(他にも何かあったと思いますが、そこだけ私の記憶にありましたので)
秋田県は全国でも1、2を争う自殺の多い県です。
確かに秋田は赤い羽根共同募金も老人クラブ活動も、(多分嫌々ながら)やっている人が多いような気がします。
人がやっているからという理由なのだと思います。
ここだけ見れば、「そうか。やりたくないことはやめちゃえばいいのか」ということになりますがそうじゃないのです。
そもそもムラの成り立ちが違うのです。
秋田は農耕を中心としてムラが形成されました。地主が親方となってユイという共同作業(田植え作業をみんなが労力を出し合って順にみんなの田植えを行っていく。金銭での精算はない)がありましたので、自然と横の繋がりは強くなってきたのだと思います。
一方、海部町は昔からの宿場町で全国から人が集まって形成された町です。秋田でいえば大潟村みたいなものです。一匹狼の集まりですから誰かを頼らず、一人で生き抜く力が必要なのだと思います。人の意見など気にしている場合じゃないって感じでしょう。
秋田のように全体主義的な考え方。私はそんなに悪くはないと思うのですが、他人の目の存在が厄介になります。おっせっかいも過ぎると迷惑になってしまうのです。
コロナ禍で起きる極端な県外人への排除意識もそこら辺からくるものだと思うのです。
東北の震災は人と人との繋がりはで立ち上がってきました。しかし今はソーシャルディスタンスを広げなければならない。それは孤独を強いられるようなものです。
じゃどうするか?
秋田にとって、生き心地のよい町になるためには、ひとりひとりを励ますしかないのだと思います。
人を励ますことのできる自分になりたい。
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