この泥棒は1996年に出所後、JR上野駅近くのカプセルホテルに泊まり、盗みに出かけていた。10年間で一度も警察の職務質問を受けたことがなく、神社の御利益は確かにあったようだ。
2006年12月、神社で500円硬貨をさい銭に拝むのを、尾行中の捜査員に目撃され逮捕された。
「さい銭が足りなかったんじゃないか」と言われ、同被告は「そうですね」とうなだれたということである。
「少ない投資で過度の見返りを期待してはいけない」という教訓である。
<さい銭500円>御利益で捕まらず 神頼みの窃盗男追送検
埼玉、神奈川両県警合同捜査班は6日、住居不定、無職、永井正数被告(50)=窃盗罪などで公判中=を約860件の窃盗容疑でさいたま地検に追送検した。永井被告は事件後、近くの神社に寄り「今日も捕まらずありがとうございました」と500円硬貨をさい銭に上げ、銀座の高級クラブで一晩に30万円を使うなど豪遊をしていた。96年5月~06年12月までに1都4県で1254件・被害総額約8220万円の盗みを認めているという。