東京電力の08年3月期連結決算が950億円の当期赤字になることがほぼ確定した。
赤字転落の原因は、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の停止の打撃によるものである。
電力会社の赤字転落は第2次石油危機による原油価格高騰の影響を受けた80年3月期以来28年ぶりである。
燃料費などのコストを電気料金に上乗せできるように優遇されている電力会社の赤字転落は極めて異例だ。
これに伴い、同社は1株あたりの配当額を70円から5円減配する。銀行預金のつもりで株を持っていた人はショックだろう。
赤字の原因が杜撰な原発管理によるものだから、損失埋め合わせのための電気料金の値上げについては大っぴらには口に出せないようだ。
勝俣恒久社長は「まずは東京電力グループが一丸となって費用削減に努める」と現時点では見送る姿勢を示した。鶏並みの記憶力しか持ち合わせていない日本人の特性を考えてほとぼりを冷ましてから一気に値上げしようという魂胆だろう。
原発の点検や補修、復旧、地質調査のほか、休止中の火力発電所の立ち上げなどで1635億円の特別損失も発生したとのことだが、原発が心配なのは東京電力だけの話ではない。
マグニチュード8以上が予想される東海地震の震源地にある浜岡原子力発電所がものすごく心配である。静岡県の住民はたまったものではないだろう。中越沖地震はマグニチュード6.8だった。
東京電力、28年ぶりに赤字 中越沖地震響く
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