実はこのダムの計画が持ち上がった段階で多くの学者が警鐘を鳴らしていた。
予想通り現地では深刻な環境破壊が進んでおり、ダム周辺住民の生活は脅かされている。
長江という世界的大河の環境が激変する工事は単に中国一国だけの問題にはとどまらない。世界的にどのような影響が及ぶかはまだ不確定で、様々な懸念が予想されている。
世界最大の三峡ダムは、貯水範囲が上流600キロにまで及んでいる。平常時もさることながら、雨期、乾期、洪水期と水位は人為的に調整されているはずだったが、環境調査がいい加減で周辺各地で侵食を招き、100箇所近くの場所で沿岸の崩壊、地すべりなどを引き起こしている。さらに、新たに200箇所以上の危険箇所が発見され、大規模な地すべりや、それに連動した更に酷い災害も予想されている。周辺自治体は注意を呼びかけているが、避難するくらいしか対策が思いつかない現状だ。中国のことだから対策もいい加減である。
また、ダムの中に流れ込む農薬、汚水、ゴミなどで環境悪化も指摘されている。
対策として、三峡ダム地区(湖北省重慶市)の汚水・ゴミ処理場の設置が計画されており、「既に半分は稼働している」とのことだが、人口3千万人を超える重慶など上流域での、工業・生活排水対策が不十分なので、貯水池は「巨大な汚水のため池」と化してしまったようだ。
中国国家環境保護総局は、貯水開始後のダム地区の水質について、「大きな水質変化はない」との嘘報告を発表している。
また、2002年以降、エチゼンクラゲが日本近海で大量発生し日本の沿岸漁業被害が深刻化しているが、その要因の一つが三峡ダムであろうと考えられている。汚染された長江の大量の水が黒潮に乗って日本に流れ込んでいるのである。
(参照)
三峡ダム
最大のダムでの環境破壊
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