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真相世界(The truth world)

200710米議会 ダライ・ラマに最高勲章 中国 嫌がらせと非難


米議会がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の功績をたたえ「ゴールド・メダル」を授与した。おりしも北京では第17回中国共産党大会が開かれており、「アメリカによる嫌がらせ」と騒ぎになった。民主化や人権問題で進展を見せない胡錦濤総書記に対するアメリカの圧力行為と見て間違いないだろう。
アメリカには北京五輪ボイコットというカードを持っているだけに、中国政府の動向が注目される。

中国外務省は「ダライ・ラマは祖国分裂活動に従事する政治亡命者であり、彼に対するメダル授与は「中国内政への乱暴な干渉だ」と非難し、米国大使を呼び抗議した。
しかし、それ以上の強い態度は示すことができず、北京五輪がいろいろな意味で中国外交の足かせになっている事実も露呈した。

中国政府とダライ・ラマ側とでは「チベット独立の主張を放棄」「祖国分裂活動を停止」の2点で合意がなされているが、「チベットに独立国並みの強い権限を持つ自治政府を認める」「台湾を中国の一部と認める」の部分で対立している。

ちなみに胡総書記は89年に「ラサ暴動」を武力鎮圧した張本人である。彼には大量虐殺者としての一面もあることを留意しておいた方がいいだろう。

ブッシュ大統領はスピーチで「ダライ・ラマは平和と寛容の普遍的シンボル」と評した上で「米国は宗教的な苦境に対し、目をつぶったり、顔を背けることはできない」と述べ、チベット独立運動の支援続行を暗に示唆した。アメリカにしても本気でチベット独立を考慮しているわけでないことはみえみえである。台頭著しい、ロシアや日本に替わって今や目の上のたんこぶになった中国の弱みを握ろうと躍起になっているのだ。
ダライ・ラマの心境も、北朝鮮拉致被害者がアメリカに直訴したのと大して変わり映えしないだろう。世界的認知度は大分違うが…。

歴史的経緯から見て、中国がチベットを侵略占領したことは否定しようもない事実である。
日本のマスコミは報道していないが、中国政府によるチベット人弾圧は人道的にも許すことのでない野蛮な行為である。
中国政府が犯した国家犯罪に対して、日本人はもっと関心を持つべきだろう。尤も、チベット自体前近代的国家であったことも事実で、仮に自治を勝ち取っても前途は多難である。
何れにせよ、中国が世界で最も問題国家であることは確かである。軍事力や経済的影響力が大きくなった割に政治体制が絶望的状況だからである。
目先の餌にダボハゼのように食らいついている日本の中国外交は本当に情けないばかりだ。


(記事)

米議会 ダライ・ラマに最高勲章 授与式、大統領が手渡し

米上下両院は十七日、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ十四世に対し、平和と宗教の自由のために取り組んだ長年の功績をたたえ、連邦議会勲章の最高賞である「ゴールド・メダル」を授与した。


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