200609日本の恥部を暴く 日本最大のダム湖 徳山ダムは利権の巣窟だった

公共事業は利権の巣窟だが、こんなひどい典型的な例も珍しい。予算のばらまき・不明朗な用途・暴力団への資金環流・救いようのない環境破壊。表向きの直接予算３３００億円、関連経費を含めると２兆円以上と想定される税金が不正に使われたことになる。臆面もなくよくやるものだ。事実を知らない国民もおめでたい限りだ。

例によっての朝日新聞の偽善的な記事だが、まあ内容的にはおもしろかった。
朝日新聞もいつものことながら完成してから騒いでも仕方ないと思うのだが…。

日本最大のダム、貯水開始　水道・発電使えず矛盾も巨大

　日本最大のダム湖が２５日、産声をあげる。岐阜県揖斐川町の徳山ダム。本体工事が完成し、水をためる「試験湛水（たんすい）」が始まる。総貯水容量は６億６０００万トンで浜名湖（静岡県）の２倍。０８年春に運用開始予定だ。構想から半世紀たち、脱ダムも言われる中、３３００億円以上を投じ、国土交通省が主導して建設を進めた。だが、今になって住民対策が再燃し、水の使い道もめどがたたないなど、ひずみが次々と噴き出している。

記事の内容を追ってみる。　

「ダムで水没する国道の代替道路。２２日に開通したとたん、道路沿いに「９・２５試験湛水反対」と書かれた横断幕が、旧村民の手で掲げられた。」

村民の間で対立があるらしい。利権の余得に預かった連中とそうでない人たち。助っ人に駆けつけた活動家あたりか？　

「所有権の確定など問題が山積みなのに、試験湛水に踏み切るとは侮辱している」。徳山区共有財産管理会の長屋昭二会長は憤る。
　現地の旧徳山村の村民約１５００人は、世帯あたり数千万円規模の移転補償を受けて、全員村を出た。だが今も、土地を巡るもめごとが尽きない。
　ダム本体から約１０キロ上流の山中。旧村民の男性は８月末、家を建てるため、自分の山林を切り開いた。途中の道路が水没し、孤立するのは承知の上だ。「水資源機構の言うことはコロコロ変わる。やったもん勝ちだ」旧村民が舞い戻り、水没しない高台に建てた家は約３０戸。ここ２、３年で急に増えた。
「都会は空気がきたない」「老いて死ぬなら住み慣れた村で」。古里の暮らしを懐かしんで戻ってきた人は多い。一方で、「また立ち退き補償金をもらえるのではないか」とゴネ得を口にする人もいる。

外部の人間には計り知れない利権に対する駆け引きが展開されているようだ。　

　事業を進める水資源機構の前身、水資源開発公団は、用地取得で多くの例外をつくってきた。
　「等価交換」と称して元の土地の１０倍近い価値の土地を渡したり、原野なのに「田」として高値で買い取ったり。
　「後先を考えず金を使ってきた。ずさんな交渉のツケが回ってきた」。機構の職員はぼやく。
　代替道路建設が０１年に大部分中止されたり、山林を新たに買収することが昨年１０月に決まったり。混乱を招く方針転換も相次いだ。
　ダム湖で孤立する旧村民のため、１２億円かけて電線や電話線を新たに引く。作業船で送り迎えもする。すべて想定外の追加負担だ。

「公団」の本性丸出しだったようだ。
徹底的に税金を食い物にするだけの目的で設立された組織であることがわかる。すでに事が成ってから公表するのは朝日新聞らしい仁義の切り方である。
天下りの理事長が、税金をばらまきまくり、自分は退職金をもらってトンズラ。
借金まみれの状態にしておいて組織解散。
別の公団が業務を引き受けて、責任の所在も不明瞭。民間でこれをやったら、当然詐欺罪で逮捕されるが、お役人がやれば「御政道」なのである。

小泉は郵政民営化と馬鹿の一つ覚えのように騒ぎ、どうせ説明しても要領を得ないだろう無知な国民を騙し、公団には手を付けなかったというよりか、裏で増長させていた。こんな悪党に騙されて続けて日本人は本当に馬鹿だなあ。　

　昨冬の大雪で工事が遅れ、試験湛水の開始はもともと１０月後半で検討されていた。それを９月中に繰り上げたのは、台風シーズンに間に合わせるためだ。現場に無理を強いても、治水効果をアピールする必要があった。
　徳山ダムは東海地方の治水、利水、発電を担う多目的ダムだ。だが、過大な需要予測がたたり、治水以外では当面、使い道はない。
　計画上、ダムの水の多くは水道水に使う。ところが取水施設は一つもできていない。水需要がなく、施設整備は後回しにされた。
　水利権を持つ愛知県と名古屋市がダムの水を使うには、水を引いてくる長大な送水トンネルを掘らなければならない。８月末に延長４４キロのルートを軸に検討する方針が決まったばかりで、完成させるには今後９００億円と試算される事業費投入が必要になる。
　地元の岐阜県でも、予定されていた県西部の２市９町で水を使う計画を立てた市町はない。
　水力発電も電力需要の伸び悩みから、０４年に発電規模を縮小した。発電所の建設計画は中断したままだ。
　ダムがある揖斐川の中流域の住民で、水害被害を問う訴訟の原告団長、安保智晴さん（６６）は言う。「誰も水がいらないなら、いっそダムを空にしておいてくれると大雨の時に安心なんだが」

で、馬鹿金をばらまいたこのダム、何の役に立つのかというと、全く何の役にも立たない。税金の不正使用目的に使われただけである。環境破壊による被害は取り返しのつかないほど甚大である。

あらためて言う。自民党を支持している奴は馬鹿だ。

（参照）
徳山ダムwikipedia


徳山ダム公式ウェブサイト

徳山ダムのホームページ

徳山ダム建設中止を求める会

徳山ダム問題のページ