最近カミツキガメの話題がテレビ等で報じられる機会が増えた。珍しいものに興味があり、すぐ手に入れたくなるが、飽きるのも早く、ポイ捨てに罪悪感がないのは人類全般に言えることだが、日本人は特にその傾向が顕著である。
釣ったブラックバスを車に=「彼女に見せたかった」、男逮捕-奈良県警
≪特定外来生物のブラックバスを生きたまま車に運んだとして、奈良県警吉野署は19日、特定外来生物法違反容疑で大阪市生野区生野東の電気工事士(42)を現行犯逮捕した。容疑を認め、「釣った魚を彼女に見せたかった」と供述している。
県警によると、生きたバスを運んだとして、逮捕されたのは全国でも珍しいという。
逮捕容疑は、同日午前11時10分ごろ、奈良県下北山村の池原ダムで釣ったブラックバス2匹を生きたまま、水を張ったクーラーボックスに入れ、車に運搬した疑い。
同署によると、池原ダムはバスの釣り場として有名で、容疑者は、18日から彼女と釣りに来ていたという。≫
何故この男が逮捕されたのかが謎を呼んでいる。
通常、このようなケースでは厳重注意程度で済ましていた警察が、今回に限って逮捕にまで及んだ理由は依然として不明のままである。
そもそも、どうして警察が容疑者の違法行為を発見できたのかも謎である。
容疑者の供述「釣った魚を彼女に見せたかった」も「彼女と釣りに来ていた」と矛盾している。途中で彼女は帰ってしまったのだろうか?
ネット上でもこの事件は話題を呼んでいるが、警察の不可解な行動に関しては「見せしめ」説が圧倒的に多い。
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
外来生物の規制および防除に関する日本の法律である。外来生物法、特定外来生物被害防止法と通称される。
≪日本在来の生物を捕食したり、これらと競合したりして、生態系を損ねたり、人の生命・身体、農林水産業に被害を与えたりする、あるいはそうするおそれのある外来生物による被害を防止するために、それらを「特定外来生物」等として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入等について規制を行うとともに、必要に応じて国や自治体が野外等の外来生物の防除を行うことを定める。≫
魚類ではブラックバスやブルーギルなどが指定されている。
違反した場合、個人には3年以下の懲役や300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金が科される。
アメリカザリガニも当然外来生物だが指定外である。生きたまま捕獲して持ち歩いていても、逮捕されたり少年院送りにされたりはしないようだ。
ここで問題となるのは動物愛護法、鳥獣保護法との関係である。
愛護法では人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものをみだりに殺傷し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待をし、または遺棄した者に対して「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(44条1項)などの罰則が定められている。
外来生物法においては、野生の特定外来生物の防除は、特定外来生物の種類、防除の区域及び期間、防除(捕獲、採取又は殺処分)の方法などの事項を公表して指定し、防除の実施は、国もしくは自治体、または環境大臣の認定を受けたNPO等の団体が、行うものとされている。
つまり、特定外来生物を発見し駆除しても、勝手にやった場合は現行犯逮捕され、懲役刑に処せられる可能性がある。
魚類は愛護法の対象外だから、ブラックバスをその場で殺して食べる分には問題なさそうだ。
ブラックバス、ブルーギルについて
≪1960年、皇太子殿下(現在の今上天皇)は訪米の際、事前に注文していた4種類の魚をシカゴ市長より贈られた。その1種類こそ現在問題となり騒がれているブルーギルであったのだ。ブルーギルが含まれていたのは偶然ではなく、皇太子自ら「非常に釣りやすい魚で、また丈夫であるので都会の子供たちに釣りを楽しませるのに最適である。」と考えたためである。これらを淡水水区産研究所に贈呈し、御所の池へも放流した。淡水区水産研は、淡水真珠の幼生の寄種魚としての活用に着目し、繁殖させた。それらを今度は滋賀県に分与した。1965年にはブルーギルを、大阪府淡水試に分与されここから全国各水試、養殖業者に配布されたのである。同年、琵琶湖でブルーギル初確認(西の湖周辺)。≫
外来生物が日本の生態系を破壊するという認識が深まったのは最近のことだが、当時でもオーストラリアやニュージーランドなどの実例は知っていたはずだから、もっと早く対策を講じることは可能だったはずだ。天皇も助言者の進言を受けたのだろうが、当時の御用学者の知的レベルはこの程度だったのである。
Wikipediaで日本での分布と歴史をみると…
ブラックバス
放流された場所は何故か心霊スポットと重なっている場合が多い。
ブラックバス自体に何の罪もないのは言うまでもない。
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