耐震偽装防止、全1級建築士に試験…不合格者は降格
いかにもお役人らしい発想である。自分の縄張りで不祥事が発生すると、責任転嫁を現場に求めるいつもながらのやり方である。
1級建築士の登録者は約30万人だが、死亡や引退などの報告義務がないため実態は不明であるらしい。現行法では更新も必要ない。今回の試験制度で、実態のない資格者や、知識・技能不足の1級建築士多数がふるい落とされるとみられるとしているが、制度上の不備を付け焼き刃的に補おうというのだろう。
1級建築士認定試験は数ある資格試験の中でも難易度の高い試験として知られているが、資格創設当初はかなりいい加減で、あの田中角栄氏もこの資格を取得したことは有名である。初期のどさくさに認定してしまった(名誉?)1級建築士でまだ矍鑠(かくしゃく)としているじいさん達が名義貸しできないようにするのが最大の目的かも知れない。
これ自体大問題だが、国土交通省は姉歯問題が出てくるまで見て見ぬふりをしていたのである。
1級建築士が姉歯以外にも大量に耐震強度偽装事件を起こしている事実が明るみに出て、いよいよしゃく所の責任問題にまで発展した段階でやっと重い腰を動かした。バブルの建築ブームの頃、おそらく30万人では足りないくらい、1級建築士は引っ張りだこであったが、その後大不況となり、姉歯のように不正アルバイトをしなければ生活できない1級建築士が大勢現れた。
今後日本に建築ブームなど怒らないだろうことを見越してのリストラである。それまで黙認するように圧力をかけていた建築業界も今はなりを潜めている。
(記事)
耐震強度偽装事件の再発防止策を検討している国土交通省は26日、1級建築士全員に新たな試験を受験させ、不合格の場合は1級建築士の資格を認めないことを柱とする制度改革素案を明らかにした。
同省は、建築士法改正案の次期国会提出を目指しており、試験が実施されると、現在登録者数約30万人の1級建築士は激減することになりそうだ。
素案や国交省の説明によると、法改正により高度な建築知識・技能を持つかどうかを調べる試験を創設。これに不合格となったり、受験しなかった1級建築士は、新たに設ける「準1級(仮称)」や、「2級」に降格させることを検討している。
(参照)建築士
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%A3%AB
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