真相世界(The truth world)

200709天才ヨウム アレックス君 謎の突然死


一般に「鸚鵡返し」という言葉があり、オウム類は物まね上手と言われている。チンパンジーやゴリラは手話はできるが、喋ることはできない。
現生の生物で人類と直接会話できるのは鳥類しかいない。
オウムが言葉をまねることは昔から知られていたが、最近の研究では「まねる」のではなく「会話している」ことが解明されてきた。
「まねる」という表現はある意味では正しく、ある意味では不正確である。鳥の物まねは条件反射的な模倣ではなく、意思疎通の手段として行われているのである。
「まねる」と言う行動はほとんどの鳥類が持つ(哺乳類もそうだが)習性である。一部の鳥では、生まれて最初に目撃したものを親と見なす刷り込みが行われる。
この習性を利用して、卵から孵化した雁を育てて、自らハングライダーを使い「渡り」を教育させた研究者もいる。

鳥類の知性に対する研究はアメリカが一歩頭抜けている。日本の場合は民間任せの観があり、欧米に比べると見劣りするのは否めない。日本鳥学会の構造的欠陥のせいであろう。

オウム科の鳥は知能が高い。インコを飼った人ならわかるだろう。

セキセイインコに物まねさせるには幼鳥のうちに飼わなければならない。幼鳥に飼い主を「親」と誤認させる必要があるからである。つまり、自身を「人間」と思わせるのである。人間である以上喋る必要性に迫られるのである。

どこまで喋るかは鳥の知性と比例関係にあるだろう。当然ながら大形の鳥のほうが頭がいい、と考えられている。
オウム科の場合、いわゆる「オウム」と呼ばれている種類は中でも知能が高い。
アメリカでは番犬代わりにオウムを飼っている人も多い。訓練すればポストから新聞を取ってきてくれる。

中でもヨウムは昔から「良く喋る鳥」として知られていた。アレックス君みたいに、特定の事象に対応して喋ることのできるヨウムもかなり知られている。
当然、2語文、3語文を軽くこなすヨウムもいる。「ボク おなか すいた」「水とひまわりをちょうだい」「外で 遊ぶ 出して」くらい言えてしまうのである。

ヨウム自体は野生では絶滅危惧種なのだが、欧米ではペットとしてポピュラーに飼われている。そのため購入価格も大したことなく、犬猫並みの価格で入手できる。
アレックス君は享年30歳で亡くなったが、本来はもっと長生きである。
飼うのはたやすいが、爺さん婆さんが孫代わりに飼うとしたなら、相当きついだろう。自分のほうが先にあの世に行く確率が高いからである。

こんな記事を読むと、ヨウムを飼いたくなる人が多いかもしれないが、アレックス君はあくまでも天才なのである。おつむの程度はヨウムも人間も同じで個体差が大きいようだ。

犬も賢い犬と馬鹿犬がいるが、ヨウムも同じである。実際に飼ってみると、思うように喋ってくれず失望する場合も多いだろう。
ただ、喋るのが苦手なヨウムは芸達者が多いという話もある。

以上はオウムの話だが、カラスの頭がいいことも知られている。カラスも訓練すれば喋る。

哺乳類では類人猿は言わずもがなだが、、象が抜群に頭がいい。人間より脳が大きいだけのことはある。鯨は頭がいいと言われているが、歯鯨系の知能の高さは有名だが、髭鯨に関しては詳しい研究がなされていない。
動物の知能に関しては人間の恣意的な判断によるところが大きい。
欧米では豚をペットで飼うのが流行しているが、それでわかった事実は、豚の知能は非常に高く、犬と遜色ないということである。知性を根拠にして犬を食う習慣を一概に軽蔑するのはおかしい。

ついでに一言、ヨウムを飼っている人。名前を「ヨーちゃん」にするのは止めましょう。飼い主の知性が疑われます。

(記事)

天才オウム:米国で死ぬ 数字発音、色形も識別

 AP通信によると、数字をゼロから6まで発音し、七つの色と五つの形を見分けられた「天才オウム」が死に、30年の“生涯”を閉じた。研究者らは天才オウムとともに長年トリの頭脳の解明を続けてきただけに、その死を惜しむ声が上がっている。

 アレックスと名付けられたオウムの一種、ヨウムで、米ブランダイス大(マサチューセッツ州)の女性研究者が飼育していた。今月7日、かごの中で死んでいるのが見つかった。死因は不明。

 アレックスは自らの願いも表現できたといい、先月には数字の「7」を初めて発音できたばかり。女性研究者に発した最後の言葉は「良いね。愛しているよ。明日ね」だったという。


(参照)
ゼロの概念を習得した「天才」オウム



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コメント一覧

zanki
オウム
http://zanki.blog.so-net.ne.jp/2014-02-14
鳥の知性も馬鹿にできませんよね。
トリトリ
人に対する認識
興味深い記事でありました。
ただ、一つ小さな誤りが・・・
鳥は、人間を「飛べない大きな鳥」と認識するので、「自分は人間だ。」などとは思わないのです。異種に育てられていても、違和感を感じることは無いそうですけど。
Unknown
オウム返ししかできねぇ元首相はアレックス君を見習って欲しいですね
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