6日、ロンドンで突然雪が降った。緯度の高いイギリスでもこの時期に降雪は珍しい。聖火リレーは予定通り行われたが、予想していた通り激しい抗議活動が繰り広げられた。ロンドンは次期夏季オリンピック開催地だが、祝福ムードはなかった。ロンドン全体が厳戒態勢の中異様な緊張感に包まれた。
リレー参加者は金メダリストや児童、著名人ら約80人だった。中華街やトラファルガー広場などを通る約50キロのコースに警視庁は約2000人を配置して警戒に当たった。
ランナーには中国からの10人余りの警備要員と英国の警官数十人が伴走した。群衆からはランナーを目撃するのは不可能な状態だった。時折、聖火の明かりが警備員の頭上でちらりと見える程度だった。
聖火は午前10時半に西部ウェンブリー・スタジアムをスタートした。抗議はその直後から始まり、チベットの旗を掲げた3人と警官隊がもみ合う騒ぎを皮切りに、抗議者たちは聖火を消そうとしたり奪おうとしたり、消火器を持ち出す者もいた。
大英博物館前やトラファルガー広場を聖火が通過すると、待ちかまえていた抗議デモ隊から「フリー・チベット!」「中国よ、恥を知れ」などという怒号やブーイングがわき起こる一方、別の場所では、中国人学生らが聖火歓迎デモを行い混乱に拍車をかけた。
ついにはリレーそのものも困難になり、セントポール寺院付近ではランナーが走るはずの区域もバスで聖火を輸送することになった。二階建てバスで聖火リレーをする計画はもともとあった。
フランスではロンドンよりも1000人多い3000人の警察官が厳戒態勢を敷しいた。聖火は7日昼過ぎにエッフェル塔を出発し、凱旋門やシャンゼリゼ大通りなどを五輪メダリストら約80人がリレーし、約28キロ先のシャルレティ競技場を目指した。
伴走する警備員の数は更に増え、聖火の周囲には数百人の警備員を二重三重に配置し、その外側をオートバイ65台が守り、上空にはヘリコプター、セーヌ川には警備ボートが行き来した。
沿道のデモ隊は叫び声をあげ、「天安門1989-ラサ2008」などと書かれたプラカードを掲げて中国の人権弾圧に抗議した。デモ隊と警官隊はリレー開始から200メートルで衝突し、安全上の理由で聖火が消され、混乱が収束するまで伴走するバスの中に移された。こうした衝突は少なくとも3回発生した。
主催者側は、バスの中に、3月にギリシャで採火した炎が保管されており、聖火の正当性に問題はないことを強調した。
シャンゼリゼ大通りでは、機動隊の大型車両に守られた聖火が近づくと沿道から大ブーイングが上がった。一部地域では、警官隊が催涙弾を使用した。沿道の警察官らは、デモ参加者が掲げる“チベット国旗”をたたむよう要請したので、支援者らは激怒し各所で騒然となった。
世界遺産のノートルダム寺院やパリ市庁には、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が製作した五輪を手錠にした図案の横断幕と“チベット国旗”が掲げられ、パリ市は中国側の要請で、聖火を庁舎内に迎え入れる式典を中止した。
いろいろとお国柄が出るようだが、抗議活動はエスカレートする方向にあるようだ。日本で聖火リレーをやるときにはどうなっちゃうんだろうか?
北京オリンピックそのものはつまらないが、聖火リレーのドタバタには世間の関心が集まっているようだ。
(記事)
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