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月1回の母の通院日。
いつものように二つの外来をはしご。
主治医の元に行くと、私ではなく兄に直接話したいと言う。
兄に連絡をして、到着を待ち診察室に入った。
ドクターは血液検査の結果を見せながら、次の処置について兄の気持ちを聞いた。
母は、決して認知が衰えているわけではない。しかし、耳が遠くなっていることと、現状を理解するには時間がかかるので兄に判断を任せることになる。
ドクターの提案する処置が、命をながらえることになるとすれば、拒否することはできない。
会うたびに痩せる母を見ていると、とにかく苦しまず、痛くない事だけを願うしかない。