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『にぎやかな眠り』シャーロット・マクラウド

2008-03-03 18:34:48 | ○コージーなミステリ○


『にぎやかな眠り』シャーロット・マクラウド 高田恵子:訳 (創元推理文庫)

クリスマスの到来とともに、ここバラクラヴァの町並みは、にぎやかなイルミネーションに覆われる。騒々しいキャロルの歌声、疾走するソリ、うろつくサンタクロースと妖精。かねてこの騒ぎと苦々しく感じていたシャンディ教授は、今年こそはと妨害の挙に出た。それが殺人への呼び水になろうとは夢にも思わずに! 期待のユーモア・ミステリ第一弾。(カバー裏あらすじより)

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<シャンディ教授シリーズ>

このシリーズの舞台は、バラクラヴァ農業大学とともに発展してきた町<バラクラヴァ>。
大学関係者が多く住む町です。
シリーズ名にもなっている<シャンディ教授>も、この大学の応用土壌学の教授です。
年齢は56歳。この『にぎやかな眠り』のときには(まだ)独身であります。

「背は低くもないかわりに高くもなく、太っていないかわりにやせてもいない。顔はといえば、ハンサムと言えるほどととのっていなかったが、他人の関心をひくほど醜くもなかった。」

と文中にあるように、いわゆる普通の容姿のようです。
御髪の方は歳相応(?)に、白髪もあり、頭頂部がやや薄くなってきている…ようですが、本人はあまり気にしていない様子。

そんなシャンディ教授のくせ(趣味?)は、ものの数を数えることです。

(この『にぎやかな眠り』には、同じ趣味をもった人が現れます。
同じ趣味(それもけっこう変わった趣味)の持ち主どうし、意気投合しないわけはありませんよね。当然仲良しになります。さて誰でしょう^^?)

そんなシャンディ教授は、このバラクラヴァに赴任してきて以来、クリスマス時期になると悩まされることがありました。
ここバラクラヴァでは、クリスマス時期にグランドイルミネーションという催しがおこなわれることになっていました。
この期間中、各家々で趣向を凝らしたイルミネーションで飾らなくてはならないという…
クリスマスは静かに穏やかに過ごしたいと思っているシャンディ教授にとって、大変迷惑な催しがあるのです。

シャンディ教授も、別にクリスマスが嫌いなわけではなく、クリスマスカードも送るし、パーティにも出かける。
干渉や強制がなければ、大人しい飾りつけさえ考えつき、それを実行したはずなのに…

これまでは、やんやの催促にうんざりして、自宅を飾り付けることなく過ごしてきたシャンディ教授だったのですが、この年にはちょっとしたいたずらを思いついてしまったのです。

そのいたずらというのは、イルミネーションに参加するということ。
それもド派手に!そして大音響で!!
で、シャンディ教授はというと、その間自分は優雅に船旅をきめこむという…
ちょっとずるい方法で、今までの鬱憤を晴らすことにしたのです。

そんなことをして困らせれば、それなりの罰は当たるもので…

優雅な船旅は、船の故障というアクシデントに見舞われ、シャンディ教授はバラクラヴァの自分の家に戻らなくてはならなくなります。
そうです。あのド派手に飾り立て、大音響をならしている(はず)の家にです。

予想に反して、帰りついた家は、飾りつけはそのままだったのですが、大音響はなく静まり返っていました。
疲れきって帰ったシャンディ教授を家で待っていたのは…


と、お話は始まってゆきます。

興味をもたれた方は、ぜひ、お読みくださいませ^^。

あれこれとお話しできたら嬉しいです。

私が購入したときには、650円の定価でしたが、今は1000円くらいになっているようです。(なんでだろ?^^;)


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このシリーズにも、お料理やお菓子という、私にとってとても魅力的な小道具が出てきます。

この『にぎやかな眠り』には、クリスマスにちなんだお料理が多いです。

クリスマスに、いとこのヘンリーとその妻エリザベスのところで饗される、
■<ロースト・ビーフ>と<ヨークシャー・プディング>(定番のごちそう)
(ヨークシャー・プディングは、我が家でもよくつくります^^)
■<レモン・チーズ・タルト>(エリザベスお手製の)

グランドイルミネーションは、バラクラヴァ農大の学生たちのかきいれどきでもあります。
車で来た見物人たちのための臨時駐車場や、見物人を乗せて走るソリや、屋台で売られている食べ物などで稼いだお金は、学生たちの学費やお小遣いになり、このグランドイルミネーションはみんなの役にたっているのです。
<ココナッツ入りの牛のふん>(屋台で売っているクッキーです^^;)
<人形(ひとがた)しょうが入りクッキー>(ジンジャーボーイかぁ)

バラクラヴァ農大には職員用の食堂があります。
ここは、学生のレストラン経営課程の一端として運営されているもので、学生たちはここでも腕を磨けるようになっているという…
■<ターキーダイヴァーン>(これは?です)
■<クランベリー・ムースのシュープレーム・ソース添え>(学生の作品)
■<ライス・プディング>
■<ビーフ・ポットパイ>

ご近所のジャックマン家の子どもたちの夕食メニュー
■<ボロニアソーセージのフレンチトーストのせ><マシュマロ・ココア>
おこちゃまは喜びそう^^!

気がついただけでも、書き出すとこんなにありました。

追々、気になるものは作ってみたいと思っています。


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カバーイラストは、天野喜孝さんです。

『Rest You Merry』という題名は、有名なクリスマスの歌の歌い出しの文からきていると、浅羽莢子さんの解説にありました。
賛美歌『よのひと忘るな』かな?


次は 『蹄鉄ころんだ』 です。



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2 コメント

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私も知らなかったのですが… (なま)
2008-11-01 17:33:03
どうも著者が、お亡くなりになられたようです。
http://www.h7.dion.ne.jp/~greenery/my/mac0.htm

私は元々、天野さんの絵が好きで。
それでこのシリーズを読み始めたのですけれど。
ほのぼのとしていて、読み易いですよね!
動物も沢山出てくるし、長閑なイメージで。
殺人事件が起こったりするのですが、でもやっぱり
恐怖感というものは、あまり感じないですよね。

私はアリサ・クレイグの方は、読んだこと無いと
思います。
シャーロット・マクラウドのこのシリーズだけを
読破した記憶です。

こんなところでまた、わたさんと同じ趣味を
見つけられて嬉しいです。
「しゃばけ」の方も、シリーズ通して読んで
みたいですね。
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なまさんへ (wata)
2008-11-01 18:37:49
そうなんですよねT.T
2005年の1月でしたか…82?83?歳で亡くなられてしまって…
悲しいかぎりです

なまさんも好きでしたか!嬉しいです
このシリーズの他、マクラウド名義では<セーラ&マックス>シリーズ、アリサ・クレイグ名義では<ジェネット&マドック>、<ディタニー・ヘンビット>シリーズがあって、どれも好きです。
『潮の騒ぐ家』は読んだのですが、今は手もとになく;読み返すことができないのが残念。
殆どが創元推理文庫なのに、途中、扶桑社ミステリーから出ているものもあるんですよね。
それが、今は手に入り難いようですね。

シャンディ教授シリーズでは、『水の中の何か』が特に好きです。
なまさんのお気に入りって、ありますか?
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