L/C(Letter of Credit)は銀行信用状による貿易決済、つまり輸入者の支払を銀行が保証するもの、D/P(Documents against Payment)は支払書類渡、つまり輸入者が支払をすれば銀行が貨物の引取りを可能にする船積書類を渡すことを意味します。わが国の貿易実務では、通常前者が安全確実、後者はD/A(Documenys against Acceptance)引受書類渡と一括して説明され、前者よりも安全確実性に劣ると解説されています。一般常識としてはこれでよいと思いますが、国によりいろいろな理解のしかたがあります。
数年前、マレーシアの大学で国際ビジネスを教えていた頃、この問題について学生に質問しました。その結果は次の通りです。
1 L/C決済が安全確実、理由は銀行の保証があるから。全体の50%で、主に成績中位の学生の回答。
2 D/P決済が安全確実、理由は銀行もつぶれることがある、支払がなければ船積書類を渡さないので、輸入者は貨物をとれない。全体の50%で、主に成績上位と下位の学生の回答。
いずれにしても、それなりの理由を踏まえた回答でした。マレーシアでは銀行の経営不安や、統廃合などが新聞などでよく報道され、銀行もつぶれることがあるという認識が一般に知れ渡っていることが窺われます。
わが国では、L/C決済はかってのいわゆる「標準決済」であり、貿易実務でも代表的な決済条件として真っ先に説明されます。しかし現在の貿易取引では20%以下、大半は特定期日送金決済が占めている実情です。これはいわゆる企業内貿易とか本支店間決済が増加し、銀行費用を節減しよういう動きに連動しています。詳細は今後掲載のために残しておきましょう。
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