合弁で海外進出する場合、合弁相手は通常取引先などが選ばれますが、その当否はさておき、違った角度から、チェックポイントにつき考えて見ましょう。
合弁相手との紛争は投資の失敗例のうち大きな原因です。通常の取引なら不適と思えば相手
を取替えられますが、投資の場合相手を取り替えるのは容易ではありません。より慎重な対
応が求められます。
(1)合弁相手の評価
特に発展途上国においては相手の経験、人脈、政治力などを過大評価しがちです。第三
者による評価が有効であり、現在価値のみでなく、長期的観点にたっての評価、すなわち
将来の利用価値も検討。また相手が政商タイプの人物である場合、その影響力が将来も継
続し得るか目配りが必要です。
(2)不公平なリスク分担
特に発展途上国においては、投資企業は現地合弁相手の資金不足により不公平なリスク分
担を引受けざるを得ない場合があります。現地の合弁事業が継続的に順調に運営されるよ
うになるまで、合弁相手の状態を注意深く見守る必要があります。
合弁企業の資金手当ては通常株主がその持分に応じて保証し、銀行より融資される場合が
多いようです。この場合、連帯保証Joint and Several Guaranteeには注意しましょう。リ
スクが株式持分を超えて大きくなります。
(3)経営と所有の分離及び適正資本金
合弁相手が合弁企業の取締役であって、取締役として不適または合弁企業に不利益をもた
らした場合、その職を停止することは非常に困難です。このような場合に備え、文書で
確認しておくことが望ましい。
(4)損失分担に関する協定
投資企業は自分自身及び合弁相手が負担できる損失の限界を事前に見極めておきましょう。
同時に両者はどのような時点で事業そのものを見直す、あるいは最悪の場合の撤退につき、
その方法と合わせ、事前に株主間で協定をしておくべきです。多くの投資企業はこのよう
なことを事業を始める前に話し合うことを好みませんが、話合いすべきことなのです。
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